南区郷土の歴史研究会で運営代表を務める 吉田 欣司さん 大岡在住 73歳
身近な歴史をひも解く
○…区が支援する地域人材発掘講座で南区の歴史を後世に伝えて行こうと17年から開講させ、受講者延べ171人が参加した。区の支援が終了後も「南区郷土の歴史研究会」として活動を続けている。講座では南区民の実生活に焦点を当てたテーマを取り上げており、蒔田や旧大岡村、大岡川などについて学習会を行う。「区の歴史などを案内するガイドはいるが、研究団体はなかった。南区の歴史を掘り下げたかった」と話す。
○…現在の緑区出身。中山小、中山中学校を卒業し、「小学生の時から好奇心が強かった」という。「近所の崖を掘って遊んでいた時に貝殻がたくさん出てきたことに疑問を持った。研究をするようになったのはその頃から」と振り返る。
○…結婚を機に南区へ移り住み、23歳から66歳まで金融機関に勤めた。横浜市内を転勤することが多かったが、そのたびに現地の歴史を感じたいと、地域を歩き回った。「歴史を調べるほかに地域の人とも多くの会話をすることができたり、歴史の知識が増えることがとても楽しかった」と笑顔。退職後は本格的に南区の研究を始め、他の研究者や西区の歴史研究会とも協力しながら、現在も37人の会員で活動を進める。「歴史研究は文献だけではなく、研究者に聞いたり、とても地道な作業。しかし、地域を知り、考えを伝え合う楽しさがある」と話す。
○…現在は妻が会の運営を支えるなど二人三脚で歴史研究を行っており「運営面では感謝している」と目を細める。吉良氏が城を構えた大岡の丘の見晴らしが良いことから頻繁に足を運ぶという。「地域の歴史を知ることが愛着心につながる。若い人たちにも身近な歴史に興味を持ってもらえたら」と話し、地域の歴史をひも解いていく。
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