南永田団地内にある空き店舗を活用して憩いの場を作ろうと、取り組みを進めてきた団地住民らによるNPO法人が「サロンほっとサライ」を4月20日にオープンさせた。多世代交流を図りながら団地に活気を取り戻そうと3年半前に始まった活動が形になった。今後、高齢者の健康づくりや世代交流を行う場を目指していく。
住民4割高齢者
南永田団地は1974年に完成。UR都市機構が管理し、賃貸と分譲を合わせて約2400戸ある。現在は住民の4割以上が高齢者で、団地内の商店街には長期間、閉店したままの店舗もある。以前から「団地全体に活気がなく、空き店舗を利用し、みんなが集える場所を作れないか」という声が住民から出ていた。
2015年11月から団地住民による永田みなみ台連合自治会(常木敬司会長)と区役所が協力し、まちづくりの担い手育成などを目的にした講座を開始。地域の課題を掘り起こしながら、空き店舗の活用策を考えていく方針が決まった。
16年1月に運営委員会を立ち上げ、4月から隔月で近隣の永田台小学校の児童の発表や住民が得意にしている音楽演奏、模擬店などを開く「つながり祭」を行い、賛同者を増やしていった。
同時にまちづくりの専門家のアドバイスを受けながら、空き店舗の改装計画を立て、18年3月にNPO法人「永田みなみ台ほっとサライ」を設立。代表には常木会長が就いた。その後、市の「介護予防交流拠点整備事業」に応募。850万円の補助を受け、8月から改修工事を行っていた。
健康づくり進める
完成した拠点の広さはフロア部分が約40平方メートル。祝日を除く午前11時から午後3時まで開き、NPOメンバーの約40人、ボランティア約20人が交代でスタッフを務める。コーヒーや焼菓子を販売し、運営費用に充てる。今後、サロン内で百人一首や健康体操などを行う予定で、高齢者の健康づくりにつなげていく。ほかにも、こども食堂の開設や外国人に母国料理を作ってもらう企画も進める。
オープンに先立ち行われた16日の内覧会でNPO事務局長の渡邊乃志男さんは「3年越しの計画でここまで来られた。皆さんに感謝します」と関係者にあいさつした。さらに「多世代交流と高齢者の見守り拠点としたい」と話し、あらゆる人が気軽に集える場所を目指して活動していく。
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