市立蒔田小学校(太田正寿校長)の児童の登下校を見守る「蒔田っ子学援隊」が7月17日に発足した。学校周辺の住民約30人が“隊員”として活動する。子どもの安全確保が社会的課題になる中、隊員は「子どものために役立てれば」と意気込む。
5月に川崎市で登校中の児童が殺傷される事件や子どもが犠牲になる交通事故が大きなニュースになるなど、子どもの安全確保が社会全体の課題となっている。
その中、小学校では、近年、登下校時に住民が通学路で児童を見守る「学援隊」などと呼ばれる組織が相次いで立ち上がっている。
蒔田小の太田校長は「登下校中の事故などを教職員だけで防ぐのは難しい」と考え、学校と地域が連携した見守り活動ができないか模索していた。これまでも、一部の保護者が通学路の見守りを行っていたが、カバーできない場所も多く、住民の協力が不可欠だと考えていた。
元PTA会長ら協力
学校そばに住み、同校元PTA会長の佐藤和夫さんと相談し、学援隊発足を決めた。佐藤さんは「以前から地域の子どもを守りたいという気持ちがあった」と隊長になり、蒔田地区の町内会や老人クラブを通して協力を依頼。「隊員」として約30人が参加することになった。中には自身の孫が同校に通っている人もいる。
17日に同校で学援隊発足式が行われ、学校が購入した活動用の緑色のベストが隊員に渡された。
隊員は主に登校時間帯の午前8時前後に榎町や共進町など、8カ所の通学路に立ち、横断歩道の誘導や児童に同行して学校まで歩く。下校時間帯は学年によって異なることもあり、可能な限り持ち場に立ったり、散歩を兼ねて周辺をパトロールしていく。
顔見知りの関係に
太田校長は「通学路にはガードレールのない細い道もあり、学援隊の存在は安全確保につながる」という。さらに「地域の方が見守っていることを児童に伝えていく」と話し、顔見知りの関係になることも期待する。
佐藤さんと活動し、共進町二丁目町内会の会長も務める鈴木誠さんは「無理せず、長く続けていきたい」としていた。
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