消費税が10月1日から10%に引き上げられることを受けて、弘明寺商店街(長谷川史浩理事長)はクレジットカードやスマートフォンを使ったキャッシュレス決済に対応するためのキャンペーンを行う。今後、現金以外の決済方法が広がることを見越して「PayPay(ペイペイ)」などの導入を急ピッチで進めている。一方、ほかの商店街や個人小売店からは「手数料の問題などからキャッシュレスに対応できる余裕がない」との声も聞かれる。
弘明寺商店街は消費税引き上げに加え、キャッシュレス決済が多い外国人や外国人観光客の受け入れを拡大させようと、対応を進めてきた。
政府は10月から来年6月まで、キャッシュレス決済時に条件を満たせば消費者に最大5%分のポイントなどを還元する事業を進める。
7割で使用可能
同商店街は、これまでクレジットカード決済に対応している店舗は多くあったが、ペイペイや「LINE Pay(ラインペイ)」などの急速に広がるスマートフォンを使った決済も可能にするよう、機器の導入を進めている。同商店街によると、加盟する約120店舗のうち、10月以降、約7割でキャッシュレス決済が可能になる見込みだ。
企画で利用後押し
キャッシュレス決済はコンビニや大手チェーン店で使われるイメージが強かったが、商店街でも対応していることを知ってもらおうと、同商店街は10月1日から7日までキャンペーンを企画。加盟店でキャッシュレス決済で買い物した回数に応じて「現金つかみ取り」やテーマパークのチケットなどが当たる抽選会に参加できる「キャッシュレスdeスタンプラリー」を行う。
9月21日は市内を中心に活動するアイドル「ポニカロード」を「キャッシュレスキャンペーン1日広報大使」に任命し、チラシを配布するなどして10月からの企画を知らせた。その中で同商店街の長谷川理事長は「キャッシュレスを上手に使って、お得に買い物をしてほしい」と呼び掛けた。
ポイント還元の対象となる店舗は事前に経産省に登録せねばならず、これから登録しても10月1日には間に合わない可能性が高い。弘明寺商店街の店舗もすべてが10月からのポイント還元に対応できていないのが現状だ。
小売店に負担感も
現在、クレジットカード決済に対応しているある小売店の男性店主は「クレジット利用は年間の売上の5%以下。スマホのキャッシュレスができてもどれだけ増えるか」という。別の店主は「ポイント還元が終わる来年7月以降、どこまでキャッシュレスが使われるか」と懐疑的だ。
店舗側が支払う手数料の問題もある。キャッシュレス決済の場合、店側が3%程度の手数料を事業者に負担するのが一般的だ。キャッシュレス機器の導入に加え、手数料も国の補助があるが、小売店の店主は「少額の買い物でキャッシュレスで払われると正直痛い」と語る。別の商店街の代表者は「レジの入れ替えなどに追われ、キャッシュレスまで意識が向かない」と当面はこれまで通りの対応で様子を見ていくとしている。
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