中村町2丁目に10月1日、地域交流拠点「おもいやりハウス 崖の下のたい」がオープンした。中村地区の主婦らが誰もが集える場所を作ろうと、市の助成金やクラウドファンディング(CF)で資金を募り、空き家を改装して完成させた。クレープや駄菓子、弁当の販売などを通して、拠点作りと同時に地域で働ける場の創出を目指す。
取り組みを進めてきたのは、主婦らが中心になって作られたNPO法人「おもいやりカンパニー」(津ノ井美晴代表)。
中村地区は中村川沿いの地区と唐沢、平楽などの山側の地区では高低差が大きい。そのため、買い物などの外出に困る人が多くおり、それを知った津ノ井さんら主婦3人が「おもいやり隊」を結成。2018年2月から唐沢の個人宅ガレージや中村地域ケアプラザ、銭湯の空きスペースなどを使って野菜やパンを販売し、買い物に困る人を助けてきた。
同時に買い物代行のサービスも実施。この中で津ノ井さんらは利用者から「若い人や子どもとおしゃべりできることが何より楽しい」という声を多く聞いた。そこで、あらゆる世代が集まれる活動拠点の開設を考えた。
中村地区にある空き家を改装して拠点を開くことを目指し、地域の課題解決につながるまちづくりに対し、市が支援、助成を行う「ヨコハマ市民まち普請事業」に応募。今年1月に認定を受けて助成金500万円を得られることになった。
ネットで資金募る
拠点探しは、20年間、空き家になったままの2階建ての家を見つけ、所有者の快諾を受けて改装が決まった。空き家は耐震工事が必要だったが、規則により助成金を充てることはできず、津ノ井さんらはインターネットを使って呼び掛けるCFによって180万円の工事費集めに挑戦。4月下旬に開始し、2カ月で目標金額を集めた。
6月には活動を拡充されるため、「おもいやり隊」をNPO法人化し、「おもいやりカンパニー」とした。7月から専門家のアドバイスを受けながら、耐震、改修工事を行い、このほど完成した。
1階にキッチンを設け、正面の窓からクレープの販売を行う。ほかにも、喫茶軽食の提供や駄菓子の販売。学習支援や要支援者らに生活支援などを行う「訪問型サービスB」の事業も行い、子どもから高齢者までが集い、楽しめる場所を目指す。
津ノ井さんは「地域の方と一緒にこの場所を作り上げていきたい」という。小中学生から募集した名称は「おもいやりハウス」に決定。現在のスタッフは10人程度。月曜日から金曜日の午前10時から午後5時に開設。場所は中村八幡宮そばの中村町2の124の5。
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