▼新型コロナウイルスの感染拡大は自治会町内会などが行う地域活動にも大きな影響を与えた。町内会が行う高齢者向けのサロンや食事会、こども食堂などの住民支援の取り組みは、感染拡大防止のため、ほとんどが取りやめとなった。これらの多くは町内会館や公共施設などの室内で開かれるため、密を避けて行うことが難しい。
▼東日本大震災以降、災害時の共助の関係を構築できるよう、地域では「顔が見える」関係づくりが進んできた。世代を超えて集えるサロンやこども食堂で住民が顔を合わせることが高齢者の生きがい、健康づくりや子どもを見守る地域の輪を広げることに大きく貢献したと言っていい。コロナ禍で当たり前のようにあったこうした場が奪われようとしている状況だということを認識しなければならない。
▼地域活動の担い手も対象の中心も高齢者であり、感染症によって重大な健康被害が及ぶ可能性があることを考えれば、行事や活動の取り止め、自粛はやむを得ない。今後の地域活動は、感染症予防策が十分に図られていることが開催の大前提となる。その上で、さまざまな工夫を重ねながら活動が継続できるようにしたい。例えば、高齢者サロンは人数を制限したり、会場を分散して行うことが考えられる。地域活動の中には、長年の慣習で漫然と同じやり方が続いていたものも少なくない。これを機に活動そのものの意義を見直すのと同時に、新しい方法で継続できるかを模索する必要がある。
▼町内会や地域団体が知恵や工夫を積み重ねることで、時間とともに新しい地域活動のあり方が見えてくるはずだ。区役所や社会福祉協議会などは、こうした地域の取り組みを広く情報収集し、発信して共有することが求められる。町内会活動に関して、区役所は他の町内会の参考になる好事例を2017年から情報誌にまとめて紹介しており、共有の下地は整っている。各団体は今まで以上に連携を図り、住民にとって意義のある地域活動が長く続いてほしいと強く願う。
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