市立学校は6月1日から授業が再開。各校は、午前と午後で児童・生徒を分けたり、隔日登校にするなど、状況に応じて形式を決めている。再開後、教員の新たな業務に加わったのが教室などの「消毒」だ。日枝小学校(住田昌治校長)は保護者に消毒作業や分散登校時の見守りをボランティアとして協力してもらい、教員の負担軽減を図りながら、保護者が学校に主体的に携わる機会を増やそうとしている。
教室から遊具まで
同校は現在、学年ごとに登校日を隔日にしており、授業は午前まで。児童が帰った後、午後1時30分から30分間は「消毒タイム」となる。文部科学省は各校に教室や子どもが手を触れる場所を1日1回以上、消毒液を浸した布やペーパータオルで拭くことを求めており、同校でも連日、消毒作業が行われている。
教師は担任クラスの教室のほか、トイレ、階段の手すり、児童が触れた校庭の遊具も消毒。対象は広範囲で教師だけでは時間も労力も必要になる。授業再開前の5月下旬、保護者にメールなどを使ってボランティア参加の呼び掛けを行った。約70人が応じ、連日、学校から消毒作業や見守りの依頼を出している。
6月4日はボランティアの保護者6人が体育館の消毒を担当した。体育館は密集を避けるために学年ごとの集会で使われており、常時パイプいすが100脚以上並べられている。この日はいすに消毒液を散布し、布ぞうきんで拭き取った。参加した小学3年生男児の母親は「ボランティアのことを聞いて学校に協力したいと思った」という。
教員の多忙解消へ
コロナ禍の前から教員の多忙さや働き方の改善は国全体の課題だった。その中で子どもの健康管理や消毒といった授業以外の業務が増えている。住田校長は「困った時は学校が保護者や地域にSOSを出し、教師がやらなければいけないこと以外はお願いして任せるべき」という。
こうしたボランティア活動はこれまで、PTA役員が担うことが多かったが、それが保護者の負担になっていた面もある。住田校長は「『やらされている』のではなく、自発的に行う形が一番良い」と話し、ボランティア活動によって、保護者が校内に入ったり、学校と多くかかわることが、より良い学校づくりにつながるという。
人的資源を活用
同校は以前から総合学習の授業で児童が住民の話を聞きながら地域の歴史を調べたり、飲食店とメニュー開発を進めるなどしてきた。また、希望した児童が放課後に宿題を自習する「アフタースクール」を設け、「サポーター」と呼ばれる地域住民が子どもに寄り添う取り組みもあり、地域との結び付きが強い。住田校長は「今は地域の方に協力をお願いできる状況ではない」と前置きした上で「地域のさまざまな人的リソース(資源)を学校にどう生かすかは大きな課題」と語り、感染防止策を進めながら、保護者、地域住民と新しい学校の在り方を探っていく。
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