新型コロナウイルスの感染防止対策による外出自粛で児童虐待のリスクが懸念された4〜5月、横浜市内の虐待相談受付件数が前年より減少したことが市の発表で明からになった。休校などで学校や保育所からの相談が減少したことが原因とみられ、市や支援者は、実態把握が困難な状況が続いたことによる虐待の潜在化を懸念している。
実態見えづらく
全国的に児童虐待の相談対応件数は年々増加しており、横浜市でも2019年度は全体で1万998件と18年度の9605件から14%増加した。その中、新型コロナ対策による臨時休校が始まった3月以降、虐待相談受付件数にも影響が出始めた。3月は前年とほぼ同数(4件増)だったが、4月(36件減)、5月(速報値、147件減)と前年より減少した。
減少したのは主に学校や保育所、医療機関からの相談。これらの機関は子どもの様子に異変があれば区役所や児童相談所に通告・相談する役割を担うが、休校などでその機会が失われ、ウイルス感染を懸念して医師の診察を避ける人も少なくなかったという。区役所での乳幼児健診や新生児訪問も実施できず、子どもや親子との接点が減少したことも件数減少に影響しているとみられる。
慢性化を危惧
虐待を受けた子どもの権利擁護や被害回復の支援を行うNPO法人「神奈川子ども支援センターつなっぐ」の代表理事を務める飛田桂弁護士は「(件数減少は)虐待が家庭内に潜在化した可能性はある。社会とつながっていない時間が長かったことで、子どもは酷い虐待も当たり前のことと受け入れてしまっているおそれがあり、学校再開で全てが解決するわけではない」と指摘する。市こども青少年局こども家庭課の担当者も「はっきりとは分からないが、やはり一定の危惧はある」と話す。
休校期間中、子どもが家にいることによるストレスで手をあげそうになったという保護者からの相談や、両親が共働きで低学年の子が1人で家にいるのをネグレクト(育児放棄)ではないかと心配する相談も行政にあった。市担当者は「周囲から見て心配な場合は知らせてほしい。子育てなど、ご自身のお悩みがある人も相談してほしい」としている。
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