▼新型コロナウイルスの影響で10、11月に予定されていた「南区健康福祉まつり『南(なん)なんデー』」と「南区文化祭」が中止になった。ともに参加団体の意見を慎重に聞いた上での判断で、室内に不特定多数の人が集まるイベントであることを考えればやむを得ない。これによって、春の桜まつり、夏の南まつりを含めた「南区4大まつり」の今年の開催は全て中止になった。これらの行事は、多くの人が集うことで、団体同士の顔が見える関係が構築されたり、新たな出会いの場を生むきっかけとなる。それだけに、中止によって貴重な機会が失われたことは残念である。
▼区民まつりの中止が各区で相次ぐ中、港北区は、11月に行う区民まつりを動画配信などのオンラインで開催することを決めた。区民まつりのオンライン開催は市内初。例年は野外で模擬店や活動発表を行う形式だったが、今年は児童・生徒の合唱や吹奏楽などの活動動画を募り、それを配信。ほかにも町内会や商店街が制作した映像を紹介する。この試みは他区でも参考になるだろう。
▼コロナ禍で企業や市民団体の活動もオンラインを活用したケースが増えている。ネットの扱いが不慣れな町内会長がスマートフォンを使ってビデオ会議に挑戦したという話も聞く。スマートフォンの普及や使いやすいソフトの浸透により、動画配信やビデオ会議はそれほど難易度が高いものではなくなっている。
▼こうした背景を踏まえ、区役所や公共施設は、市民の生活や地域活動に役立つようなネットの使い方を教える機会を増やす必要がある。ネットは災害時の安否確認や防災情報の収集にも欠かせないツールだ。これまで、施設のネット活用講座は、スマートフォンの基本的な操作を教えるものが中心だった。今後は生活に関するさまざまなニーズに応じたメニューを提供することが求められる。市民の中にはネットの知識や技術を持った人が多くいる。そうした人の知恵や力も借りながら、新しい時代の生活を支援する取り組みが進むことを期待したい。
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