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南区版 公開:2020年7月9日 エリアトップへ

横浜市 避難所の3密対策強化 防災拠点に感染防止品

社会

公開:2020年7月9日

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 台風シーズンとなる8、9月を控え、豪雨や地震などの自然災害と新型コロナウイルス感染症が重なる「複合災害」への対策が急務になっている。横浜市は、すべての地域防災拠点にマスクなどの感染防止備蓄品を整備し、避難所の感染症対策を強化する。また、避難所の3密を回避するため、自宅や友人宅などへの「分散避難」を呼び掛ける。

クラスター発生防止へ

 台風や大地震の際の避難場所は「3密」になりやすく、感染症の集団発生(クラスター)が懸念されている。1995年の阪神・淡路大震災の際には避難所でインフルエンザが流行、2011年の東日本大震災や16年の熊本地震ではノロウイルスの感染が広がった例もある。

 市は6月、3密を避ける地域防災拠点の開設・運営のポイントを作成した。この中では、避難所・避難場所をできる限り増やすことなどをあげている。

 地域防災拠点は、大規模な地震などが発生し、自宅が壊れたり、倒壊する恐れがある時など、自宅での生活が困難になった人が一定期間避難生活をする場所。南区内には市立小・中学校の25カ所が指定されている。

「分散」呼び掛けも

 さらに、安全を確保できる場合には、自宅の上階などへの在宅避難や親戚、友人宅などへの分散避難を呼び掛ける。市担当者は「3密を避けるには分散避難は有効な手段。行政が開設する避難場所に行くことだけが避難行動ではない。日頃から避難行動について検討してほしい」と話す。

 市は避難所の感染症対策として、補正予算で「避難所等における災害対策備蓄事業」の約1億1千万円を計上し、これらを含む予算案は7月7日に議決された。アルコール消毒液やマスク、使い捨て手袋、段ボール間仕切り・ベッドなどを市内のすべての地域防災拠点459カ所と地区センターなどの補充的避難所202カ所に早急に整備し、避難所の感染症対策を進める方針だ。

校庭、公園の使用も

 南区内の地域防災拠点の運営委員長を務める町内会長の男性は「地域防災訓練は自宅で生活できない人が来る場所だが、災害時にはそうでない人も多くやって来ると考えられ、体育館だけで密集は避けられないだろう」と心配する。

 「現状では3密を避けるのは難しい。工夫が必要」。こう話すのは、磯子区地域防災拠点運営委員会連絡協議会の三上勇夫会長だ。磯子区の洋光台第一小学校での防災訓練には、毎回約500人が参加するといい、地震などが発生した場合は避難所が3密になる可能性が高い。「体育館以外の教室や校庭、近隣の公園なども活用し、車中やテントなどで3密回避を検討すべきでは」と話す。

 市がポイントに示した避難所増設を行った場合、管理・運営する住民や市職員も必要になるなど、課題も多い。防災まちづくりが専門の横浜市立大学の石川永子准教授は「クラスターの発生を防ぐには、ゾーニングや動線の確保、人の役割などをしっかりすることが大事。行政と地域住民、コロナ対策本部などの関係者との連携も重要」と話した。
 

地域防災拠点での訓練
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