コロナ禍で自治会や町内会の活動が自粛、縮小される中、感染対策と住民活動を両立させるため、オンライン会議やSNSなどのICT(情報通信技術)を活用した取組が注目されている。横浜市は9月の補正予算に「自治会町内会新しい活動スタイル応援事業」を盛り込み、ICTを活用した住民活動の支援に乗り出す。
導入きっかけの場
横浜市は新型コロナウイルス感染症対策として補正予算案に169億円を計上し、同事業(7600万円)を盛り込んだ。自治会町内会の新しい活動スタイルを支援することが目的。今年11月から来年3月までの期間、市内の地区連合町内会(全253団体)を対象に専門家らによる出張講座・相談を実施する。
9月中に市と協働で事業を行う民間事業者を募集し、10月に参加する自治会町内会を募る計画。日ごろICTに触れない自治会町内会の役員らにもオンライン会議やSNSなど活用例などを紹介しながら実際に体験してもらい、導入のきっかけづくりにしたい考え。内容は事業者と町内会側で協議していく。
「高齢者は難しい」
コロナ禍での自治会町内会の活動について、横浜市町内会連合会の藤田誠治副会長(港南区)は「全く活動していないか、制限して少しずつ始めたかのどちらか」という。ICTの活用は「スマホやタブレットを使うのは高齢の役員にとって難しい面もあり、抵抗もある。次世代を考えると取り組まなければいけない課題」と話す。
慣れでスムーズ導入
港南区の吉原南町内会は5月からICTの活用としてオンライン上の会議システムを導入。IT企業に勤める役員がいたため、スムーズに運用することができたという。月に1度、オンライン会議を行っている。同町内会の佐藤正市会長は「顔が見える形で話し合うことができるのが最高にいい」と話す。保土ケ谷区の常盤台地区連合町内会は30、40代の役員が中心に指導を行い、ビデオ会議システム「Zoom」を使って会議を開くなど、連合町内会の単位にも広がる。
市の担当者は「できる人がいないときっかけがない。地域の絆、つながりを補完する機能の一つとしてICTが活用されるといい」と話す。
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