弘明寺観音の副住職で、大岡地区センターで初開催された写経の講師を務めた 美松 寛大さん 弘明寺町勤務 29歳
「安心」与える存在に
○…「参拝者や地元の皆さんから『弘明寺観音に来ると心が清まる』と言ってもらえると嬉しい」と穏やかな表情で話す。まちを歩いていると地域の人々が気さくに話しかけてくれるという。「地域の皆さんには幼いころから良くしてもらっている。人情深い弘明寺にふさわしい、アットホームなお寺でありたい」と力を込める。
○…曾祖父の代から一族が住職を務める。「元々お寺を継ぐつもりはなかった」と話すように小中高は野球に熱中し、進学した駒澤大学では仏教ではなくキリスト教について学んだ。「古代ギリシアの彫像に見られるアルカイク・スマイルなどは日本の仏像の表情にも通ずるところがある」と話し、宗教の奥深さを感じるという。「大学生のころまでは僧侶になるつもりがなかったけど、思い返せば、どの道そういう運命だったのかな」とお茶目に笑う。
○…卒業後は高野山での修行に臨んだ。修行は過酷なもので体重は1年間で約15kgも減ったという。「携帯電話を使えない、お肉を食べられないなど、今までの生活では考えられないことばかりの連続だった。いかに自分が煩悩の塊なのかを思い知った」と振り返る。修行を終えるころには「仏教で周囲を元気付けたい」という強い気持ちが芽生えたとも。
○…弟は保土ケ谷区の福生寺で副住職を務めており「お互い良い刺激になる」と微笑む。「弟はライバルだが『お寺を馴染みのある場所にしたい』という思いは一緒。協力して地域を盛り上げたい」と語る。昨今、相次ぐ芸能人の自殺に「自分と同世代の人も亡くなって悲しい」と話し、心を痛めている。「コロナ禍だからこそ、人々に安心(あんじん)を与えたい」。横浜最古の寺院から地域に安らぎをもたらす。
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