大岡健康プラザに入る大岡地区センターは新型コロナウイルスの影響で気持ちが沈みがちな人を元気付けようと、自主事業「写経の時間」を10月16日に開催した。同センターでの写経は初の取り組みで約50人が参加。講師は弘明寺観音の副住職・美松寛大さん=人物風土記で紹介=が担当。参加者は息を整え、心を清めながら一筆に思いを込めた。
写経は般若心経などのお経を書き写すもの。奈良時代に僧侶の修行の一環として行われたことが起源とされているが、現在は日常生活におけるストレス軽減などを目的に行う人も多い。一人でもできることから、密を避けた開催形式が求められるコロナ禍に適しているとされる。
つながりを紡ぐ
コロナ禍、同センターでもイベントが相次いで中止となった。8月には同じ建物に入る南スポーツセンターと大岡地域ケアプラザと合同で行う納涼会も中止となり、住民からは残念がる声が相次いだ。
そんな中、大岡地区センターは「住民に楽しみを与えたい」と密を避けることができるイベントを模索。横浜市内最古の寺院で「弘明寺のランドマーク」として、住民から親しまれている弘明寺観音の美松副住職に講師を依頼し、開催が実現した。
初心者が多かった同講座では、美松副住職が仏教の歴史や考え方、写経の意義や作法を一から解説。参加者は心を清め、集中力を高めながら「般若心経」の全文約270字を約1時間半かけて一文字ずつ書き写した。
この日、初めて写経を体験したという曽我ヤサさんは「外出自粛で沈んでいた心が元気になり、新しいことを学ぶ楽しさもとても実感できた」と笑顔で話した。美松副住職は「仏教に限らず、自分が信じるものを一つでも良いので見つけてもらえれば」と語った。
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