小説家の山崎洋子さんが11月28日に南区役所で行った講演会の中で、1986年に江戸川乱歩賞を受賞した『花園の迷宮』の裏話を語った。
『花園の迷宮』は真金町の遊郭を舞台にした殺人事件を描いたもので、それまで、山崎さんは横浜のことを詳しく知らなかった。「横浜と遊郭が結び付かなかった」というが、それまでの江戸川乱歩賞に遊郭を舞台にした作品はなく、「珍しい題材だと思った」と取材を始めた。
実際に真金町を歩いてみると、遊郭の様子を残す建物はほとんどなく、かろうじて雰囲気を感じる旅館に飛び込み、中を見せてもらった。三畳くらいの部屋を見て、イメージを膨らませたという。
その後、横浜中央図書館へ行って真金町の遊郭に関する資料を探そうとしたが、見つけられず、結局は吉原や長崎の遊郭を参考にしたと明かした。
出版後、本に付けれた読者の感想はがきが出版社に届き、宛名を見ると「桂歌丸」とあった。実家が真金町の遊郭を営んでいた歌丸さんが本を読み、丁寧に感想を寄せてきた。当初は歌丸さんと遊郭の関係さえ分からなかった山崎さんだが、関係を知って納得したという。そのはがきは今でも山崎さんの思い出として保管している。
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