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敬老パス IC化で利用実態把握へ 制度見直しへ一歩

社会

掲載号:2021年4月8日号

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来年、紙から切り替え

 横浜市は敬老特別乗車証(敬老パス)について来年10月、現行の紙からICカードなどへ切り替える方針を示し、システム開発費を今年度予算に盛り込んだ。高齢化による事業費増や過多になっているバス事業者への負担が課題となる中、利用実態を正確に把握したい考えだ。

 70歳以上の市民が所得などに応じて、年間3200円〜2万500円を支払うと、市内のバスや地下鉄などが乗り放題になる敬老パス。横浜市で制度が始まった1974年には約7万人だった交付者は、19年度に41万7千人まで増えている。市費負担額も約3億円から約99億円に膨れ上がっている。

 現在、事業費は利用者と市、交通事業者の3者が負担。利用者は所得に応じ、年額費用を支払う。市は想定乗車回数に応じた金額を交通事業者に助成している。

バス事業者の負担大

 IC化は制度の適正化が狙い。利用実態把握について、これまでは利用者へのアンケートや乗務員による調査などで行ってきたが、正確なデータは不透明だった。

 市は、バス事業者との話し合いの中で利用者の乗車回数を1人あたり月15回と想定し、助成額を計算。しかし、利用者へのアンケートによると、月平均20〜25回と想定を上回っており、超過分はバス事業者の負担となっている。

 仮に市費負担がそのままで、月25回の乗車で試算すると、19年度のバス事業者の負担額は172億円に上り、全体の6割を超える。市内のあるバス会社は「正確な実態を把握し、それに見合った助成額を頂けるといい」とこぼす。市担当者は「現状のままの継続は難しい。仕組みの見直しは必要。まずは正確な実態把握が大切」と話す。

名古屋は上限設定へ

 65歳以上の市民約32万人に敬老パスが交付されている名古屋市では、16年に磁気券をIC化し、実態把握を実施した。

 同市はIC化による調査で、市営交通利用者の9割以上が年間730回未満の利用というデータを出した。これを基にに、年間の利用上限回数を730回と定めることで、財源の確保につなげるとしている。22年にも新制度に改めるよう準備を進めている。

 横浜市は実態把握を行った上で、利用者と事業者、市の負担がどの程度にするか検討する。

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