元国連事務次長の明石康さんによる講演会が4月24日、中区の市技能文化会館で行われ、約80人が参加した。南区在住の齋藤勁元衆議院議員が代表理事を務める一般社団法人勁草塾と民権かながわ(会長・藤井裕久元財務相)が主催したもの。
明石さんは1957年に国連入りし、79年に事務次長に就任。カンボジアや旧ユーゴスラビアの紛争解決や平和構築に取り組んできた。最近では、軍事クーデターによる混乱が続くミャンマー情勢の打開策を外務省に提言するなど、積極的に活動している。
国連は2020年に創設75年を迎え、連携機関のWFP(世界食糧計画)が貧困層に食料援助を続けたことが評価されノーベル平和賞を受賞。こうした背景から、齋藤氏と親交がある明石さんを招いて話を聞いた。
明石さんは国連時代の取り組みを語った上で、「国連は世界で必要とされることを取り上げなければならない」と語り、食糧問題や人権など、現代で求められている課題に正面から取り組んでいくことが大切だとした。
後半は食糧問題に取り組む団体の代表者らによるディスカッションを実施。パシフィコ横浜内にあるFAO(国連食糧農業機関)駐日連絡事務所の日比絵里子所長は、食料と農業に関する技術的な専門機関であることを紹介。現在、世界で約7億人が栄養のある食料を充分に入手できず、新型コロナの感染拡大により、飢餓が広がりつつあることを報告した。「誰一人取り残さないフードシステム全体を変革する必要がある」とまとめ、気候変動に耐えられる農業システムを構築すべきとした。
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