睦地域ケアプラザなどで毎週土曜日に4つの団体が週替わりで行う「こども食堂」に岩手県陸前高田市の広田湾で採れたわかめ3・6kgが寄付され、6月12日にわかめごはんとして提供された。磯子区に事務局を置く市民団体が現地で働く団体出身者から買い取ったもの。被災地支援とともに、こども食堂を支える輪が広がっている。
堀ノ内睦町地区では、3年前から毎週土曜日に週替わりで4団体がこども食堂を開く。昨年10月からは南区が拠点の奉仕団体「横浜南央ロータリークラブ(RC)」も月1回、食堂の場で菓子や雑貨を提供。支援の輪が広がりつつある。
わかめを提供したのは市民団体「福島子ども・こらっせ神奈川」。東日本大震災を契機に2012年4月に発足した。大学生らと協働し、福島第一原発事故で避難生活を強いられた福島県楢葉町の子どもたちを神奈川に招待し、横浜や山北町で自然体験をするプログラムなどを行ってきた。
しかし、新型コロナウイルスの影響で昨年から活動の自粛を余儀なくされた。「コロナ禍でも地域と東北をつなぐ活動を進めたい」と考えたのが密を作らないボランティア活動。大学時代に同団体に所属し、現在は陸前高田でまちづくり事業に取り組む石渡博之さんが地元の漁師と収穫したわかめを買い取り、神奈川と福島のこども食堂約30カ所に寄付した。
親交のある同ケアプラザ地域活動交流コーディネーターの森博昭さんから、こども食堂が盛んな地域と聞き、同ケアプラザには1袋300gのわかめ12パックを寄付。地域のこども食堂を支える4団体に均等に配られた。6月12日にはこども食堂「コドイチ」が提供されたわかめでまぜごはんを作り、約40食の弁当を子どもらに渡した。同RCは菓子を用意し、1人に3つずつ、好きなものを選んでもらった。
同団体の遠野はるひさんは「取り組みはこども食堂の支援に限らず、東北に力を与える。震災から10年が経った今、記憶を風化させないように東北と神奈川の架け橋であり続けたい」と話し、支援の拡充を目指す。
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