米店から業態転換 新顧客獲得へ
新型コロナウイルスによる先が見えない状況が始まり1年半。飲食店を中心に苦境に立たされている事業者は多い。その中で店舗をオープンしたり、起業する人もいる。台風並みの逆風が吹いているとも言えるコロナ下でなぜオープンを決めたのか。経営者らの思いを聞いていく。
創作意欲で笑顔引き出す
中村橋商店街に6月1日にオープンした「ビストロカフェ フィオーレ」。モーニング、ランチ、ティータイム、ディナーの時間帯で変わるオリジナルティーあふれる創作メニューが客の興味を引く。
店内は都内の高級レストランのような落ち着いた雰囲気で、若いカップルから年配の夫婦までが訪れる。約10年間、有名レストランで腕を磨いた店主の手塚和気さんが三浦市の市場で購入した野菜をメインとしたパスタや三崎漁港から仕入れた魚を使った定食など、地元神奈川の新鮮食材を活かしたメニューが特徴。同店は前身が米店だったこともあり、看板メニューはディナーの時間帯で提供する「土鍋で炊いたご飯」でリピーターが多い。
店主の手塚和気さんは理系の大学卒業後に調理師免許を取得し、首都圏を中心に展開するレストラン「キハチ」で自分の店を持つという目標に向かって腕を磨いた。コロナで飲食店が窮地に立たされる中、「自分の力で直接的にお客さんの笑顔を引き出したい」との気持ちが強くなり、悩んだ末、約10年間勤めたレストランを退社した。
周囲からはコロナ下での開業を心配する声も上がったが、手塚さんの料理人としての技術力に信頼を寄せる妻・悠さんが背中を押した。そんな時、睦町で「大竹米店」を経営していた悠さんの父・大竹典之さんが体調不良で店を畳むことを決心。手塚さんは「形は違えど戦前から続く米店を守りたかった」とカフェレストランとして再出発した。
開店して3カ月が経った。コロナの影響で思うような集客はできないが、「新作メニューの開発に充てられる時間が多い」と至って前向き。枠にとらわれない柔軟な発想で店を切り盛りする。
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