2020年3月26日に就任した南警察署の田中武志署長が定年のため、9月15日付で退任する。退任前にこの1年半の感想や被害発生が相次ぐ、オレオレ詐欺などの特殊詐欺について聞いた。
情報発信法を模索
――署長として1年半を振り返っての感想は。
「新型コロナウイルスの感染拡大が従来の考え方を大きく変えました。春の交通安全パレードなど、多くの人に直接呼び掛ける啓発活動が難しくなったため、密を作らずに皆さんに情報発信する方法を模索しました」
――特に印象に残った活動は。
「中高生が詐欺被害の防止につながる合言葉を考える『南区特殊詐欺防止標語コンテスト』や、お笑い芸人の鉄拳さんに作っていただいた特殊詐欺への注意を呼び掛けるイラスト動画の公開などが印象深いです。これらは初めて行った取り組みで密を作らないため、コロナ禍に配慮したものだったと言えます」
――南区における特殊詐欺の現状は。
「7月末時点で南区内で発生した特殊詐欺の件数は17件、被害額は約1600万円で、昨年と比べて5件、5400万円減少しました」
――努力が実を結びましたね。
「詐欺被害の減少は素直に嬉しいですが、涙を流している人がいることを忘れてはならない。被害がゼロではない限りは防いでいると言えません。現状に満足せず、『被害ゼロ』を実現するにはどうすれば良いかを考え、継続的な呼び掛けが必要だと思います」
――区民に向けたメッセージを。
「1年半、ありがとうございました。区のキャッチフレーズ『南の風はあったかい』の通り、日々、皆さんから温かい言葉を頂戴しました。警察は犯罪防止などに全力を注ぎますが、地域の目と声、家族の絆が平和なまちを作ります。引き続き、南警察署をよろしくお願いします」
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