交際相手からのさまざまな暴力「デートDV」について、LINEで相談を受ける取り組みを10月1日から15日までの土、日曜日を除き、男女共同参画センター横浜(フォーラム)=戸塚区上倉田町=が行う。
デートDVとは、恋人間で起こる、殴る、蹴る、怒鳴るなどの直接的な暴力に限らず、交際相手の携帯電話やSNSを見て行動を監視したり、性行為を強要したりする行為なども含まれる。
フォーラムは市との事業で約10年前からデートDV防止啓発のため、中学や高校へ講師を派遣する講座を実施。委託を受けて講師を務める認定NPO法人「エンパワメントかながわ」が2017年に行ったデートDV実態調査によると、10代の交際経験者は女性43・8%、男性26・7%、うち全体の37・9%が被害経験者だという。
解決の糸口に
こうした現状を受け、フォーラムは電話相談が苦手と思われる若年層を対象に事業を展開。2月から3月に市内中高生対象のLINE相談を初めて試行した。14日間での相談件数は男女合わせて12件と少なかったものの、デートDVのほか、家族や友人関係の相談も寄せられた。また土、日、祝日の利用はなく、相談者の移動中や待ち時間など「隙間時間」での利用が多かったという。
今回のLINE相談は交際経験者が多く見込まれる高校生から大学・専門学校生を想定し、広報カードを市内公立高校に全生徒数分配布。大学などにも周知を図った。
相談に応じるのは、普段から電話や面談で全世代のDV相談を受ける相談員。SNS相談開始にあたり、ガイドライン作成や研修を行ってきた。新堀由美子相談センター長は「行動監視は『嫉妬』を超えた相手への支配といえる。好きだからNOと言えないなど、本人たちにも見えにくいのが問題。『こんなこと』と思わずに気軽に相談してほしい」と話す。
LINE相談に登録すると、デートDVに関する情報が受け取れる。フォーラムの常光明子館長は「親世代や先生など、周囲の人も関心を持ち、若者を見守ることにつなげたい」と語る。LINE相談は期間中の午後5時30分〜8時30分。
当事者以外含めた電話相談は【電話】045・871・8080も受け付けている。(火、水、金、土曜は午前9時30分〜午後4時、金曜は午後6時〜8時)。
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