南永田山王台地区の道路に愛称をつける取り組みのプロジェクトリーダーを務める 堀木 一男さん 永田南在住 72歳
「愛情」の種まきを
○…地域住民が27の道路に名前をつける「道の愛称プロジェクト」の舵を取る。2年前から地道に活動を進めて大詰めを迎える。「普段何気なく通り過ぎている道には、それぞれ形や歴史背景などの個性がある。まちの未来を担う子どもたちが興味関心を持って、地元愛を育む一つのきっかけになれば」と語る。
○…結婚を機に30歳で妻の故郷である永田山王台へ。「横浜にこんなに多くの自然があるとは思わなかった」とまちのギャップに惹かれた。しかし、朝から晩まで仕事に追われた会社員時代の思い出は、満員電車に揺られながら向かう新宿の街で「家は寝に帰るだけの場所だったね」と苦笑い。それだけに、定年後は「緑豊かで魅力的な地元での交流を大切にしよう」と心に決めた。
○…雑誌デザイナーとして働いた経験を活かし、「道の愛称―」の進捗状況などを地域に知らせる広報紙「プロジェクトニュース」のデザインを担当。「まさかサラリーマン時代の仕事がここで役に立つとは」と笑い、プロジェクトが完結する来年3月まで発行を支える。誰かの役に立ちたいとの思いが自分、相手、社会に対する”3つの愛”を醸成すると言い、それらの愛が「まちのにぎわい、活性化につながる」ときっぱり。
○…離れて暮らす2人の子どもは今でも地元の友人との絆を大切にする。「友情や郷土愛は人とふれあう中で自然と生まれるもの」と述懐する。人に会わなくてもコミュニケーションが取れる現代を便利だと語る一方、「困った時に励まし合ったり、助け合ったりできる『本当の友達』にはなれるのかな」と疑問を呈し、人間関係の希薄化を心配する。チームが団結し、大きな目標を達成する喜びを行動で子どもに伝えていく。
|
|
|
|
|
|