災害対策や交通事故防止に取り組む「非営利型一般社団法人FA普及協会FAVT」=中区=が南区内の路面店などに、負傷者に応急処置を施すことができる救急箱の設置を進めている。弘明寺や井土ケ谷地区を中心に約300個が導入され、互いを助け合う「共助」の精神がまちに広がる。
救急箱は縦約20cm、横11cm、厚さ7cmで販売価格は7645円。設置場所には「緊急時救急箱提供」と書かれたステッカーを貼る。消毒液やガーゼなど、応急処置に対応できる物資が入って、ケースは骨折した人の添え木になる。
FAVTは災害や交通事故の発生時に役立てようと、2006年に利便性の高い救急箱を開発した。今年から本格的に南区での普及を始め、弘明寺商店街周辺の店などに導入を推奨。負傷者救護を考えて購入する事業者が増えている。
弘明寺商店街近くにある絵本店「子どもの本&クーベルチップ」を経営する中村裕子さんは「手当てに必要なものがそろって便利。地域に助け合いの気持ちが生まれるきっかけにもなれば」と設置を決めた。
救急箱を車両に置く企業も。ステッカーを取り付けることで運転手の安全意識が高まり、交通事故の減少につながったとの声がある。ある郵便配達員は「より一層、安全運転を心掛けるようになった」と話す。
市民のニーズに
京王線の車内で10月31日に発生した無差別殺傷事件など、いつどこで負傷者が出るか分からない。FAVTに対し、市民からは電車やバスなどに救急箱を導入してほしいとの声が寄せられる。
FAVTの営業・企画担当の箭中美智子さんは「もしもの時に皆さんが互いに助け合えるよう、必要性の高い場所へ提案していきたい」と設置を呼び掛けていく。
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