南消防団の副団長で秋の褒章で藍綬褒章を受章した 田中 肇さん 宿町在住 67歳
地域の信頼 積み重ねて
○…30年を超える消防団活動で手にした栄誉に「言葉では言い表せない嬉しさがある。自分みたいなものがもらっていいのか」と謙遜するが「妻から『もらえるものはもらっておきなさい』と言われた」と笑う。
○…中村橋にあった市場の菓子店で生まれ育った。自身は通信機器工事の仕事に就いていたが、父親が南消防団の分団長と知り合いだったことから、勧められる形で1990年に入団。それまで存在すら知らなかった消防団だったが、ポンプ操法大会の選手に選ばれたことで、訓練を重ねることになった。市大会にも出場し、知識と経験を得た。車の運転中に目の前で起きた事故にも迅速に対応するなど、まちを守る一員としての心構えが常にできている。
○…第三分団の分団長を2016年から4年間務め、副団長に。この数年、団として取り組んできた団員確保策が奏功したが、レベルアップは大きな課題。コロナ禍で訓練も制限されていたが「最近の団員は教えればすぐに覚えてくれるし、人との接し方もうまい」と頼もしさを感じている。「どれだけ地域に入っていけるかが大切」と町内会の防災訓練などの出番を増やし、広報や啓発を重ねることを重要視する。
○…現在も通信機器の仕事を続け、インターネット設備の工事などを行う。「手先は器用ではないけどね」というが、趣味の釣りでは船上で繊細な竿さばきを見せる。「海を眺めるのが好き。何も考えなくて良いから」と港の見える丘公園は自分をリセットさせてくれるお気に入りの場所だという。消防団員としての定年である70歳までは仕事を続けるつもり。「もっといい消防団になるはず」と受章を契機に幹部として南消防団の発展に力を注ぐ。
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