南区版 掲載号:2021年12月31日号 エリアトップへ

記者が見た、聞いた、感じた、を伝える あっとほーむデスク 12月31日7:18更新

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  【記者の今年の1枚ー横浜市長選の林陣営で見た光景】
2021年最後の1日。今年、記者にとって最も印象的な出来事と写真を紹介したい。

8月の横浜市長選挙。3期12年続いた林文子市政への審判は、IR(統合型リゾート)誘致の是非が絡み、過去最多の8人が立候補した。IR誘致中止を掲げ、立憲民主党などが推した山中竹春氏が当選したことは、市民にとっても今年最大のトピックと言っていいだろう。

取材では立候補をめぐる各陣営の動きに翻弄され続けた。事の発端は、IR誘致を進めてきた林氏を市会最大勢力の自民党が多選などを理由に支援しなかったこと。そこから自民党の候補者選びは、名前が出ては消えーを繰り返した。その後、事態が急転。菅内閣で国家公安委員長を務めていた小此木八郎氏が自ら名乗り出た。現職閣僚の宣言は驚きだったが、さらなる驚きは、「横浜へのIR誘致は取りやめ」と主張したことだ。これまでIR誘致に前向きだった市会自民党。それでも市長選では、市議36人中30人が小此木氏を支援。IR誘致を信念とする6人は林氏の支援に回り、分裂選挙となった。

記者は林陣営を担当。IR誘致は市民の賛同を得ているとは言い難く、当初から林氏の劣勢が伝えられていた。投開票日前日の8月21日夜、「マイク納め」と呼ばれる最後の訴えを山中氏、林氏ともに桜木町駅付近で行った。先に山中氏の演説場所へ行くと、開始前から数え切れないほどの人が何重もの輪になって集まり、そこは高揚感に包まれていた。山中氏の話を聞き、急いで林氏がいる市庁舎前へ向かった。そこで見たのは市議6人と約50人の支援者ら。12年間、市政のトップに立っていた人の演説風景としてはあまりにも寂しかった。

22日午後8時の投票締切と同時に山中氏の当選確実が報じられた。記者はそれを林陣営の事務所で見ていた。数分後、落選が確実となった林氏が姿を見せ、支援者に一通りのあいさつをした。その後、労いの花束を受け取ってこう言った。「私としては支援してくださった自民党の6人の先生と一緒に受け取りたい気持ちです」。林氏に呼ばれ、左右に分かれて並んだ6人の市議。神妙な面持ちで前へ立ち、深々と頭を下げた。林氏が手にするヒマワリの花束の華やかさとは正反対の光景だった。

小此木氏も敗れた。林陣営のある市議はこの結果に「仕方ないよね」とつぶやいた。政治家は自らの信念を押し通すことも重要だが、時には臨機応変さも必要ーと自民党の選挙対応から感じた。とはいえ、市民はそのどちらも多数としなかった。

この市長選は、ほかにも補助線を何本も引かないと説明できないような複雑な構図が重なり、その評価はまだ定まっていない。ただ、この林氏を中心とした写真を見るたびに「あれは何だったのか」という疑問が浮かぶ。それを頭の片隅に置きながら、2022年の市政を見て、伝えていきたい。(も)

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