健康問題など理由
厚生労働省の統計によると、2021年(1月-11月)の横浜市内の自殺者数は444人だった。20年同期と同数で、依然として高い水準であることが分かった。
また、市が設置する「こころの電話相談」への今年度の相談件数も増加している。市担当者は「新型コロナの影響とは断言できないが、自殺者数の高止まりを注視する必要がある」と話す。
全国の昨年一年間の自殺者数は2万830人(速報値)。前年比251人減だが、コロナ禍以前の19年比では661人増となっている。
市内の状況も同様で、19年(1月―11月)の362人に対し、高止まりの状況だ。21年度、自殺理由として最も多いのは「健康問題」。緊急事態宣言などが発令されていた昨年春から夏に掛けては「経済・生活問題」などの理由も目立つ。
年代別では「50歳代」89人が最多で「30歳代」74人が続く。男女比では「男性」64・2%で前年比2・9ポイント増加。働き盛りの男性が多い傾向だ。
市こころの健康相談センター長で精神科医の白川教人氏は「人との交流が減るなど、長期化するコロナ禍の影響も懸念される。悩みは一人で抱え込まず、相談することが大切」と話す。
電話相談も増
市は悩みを抱える人を孤立させない取り組みとして「こころの電話相談」(【電話】045・662・3522)を設置している。21年度(4月―12月)の相談件数は5589件(月平均621件)で、前年度の月平均に対し34件増加した。
相談内容は「オンライン授業で友達ができない」「職場や家族、友達との感染症対策の認識が違いがストレス」など、コロナの影響も見受けられる。
また、市は19年から、インターネットで自殺に関するキーワードを検索した際、市が委託する相談窓口などを表示する取り組みを実施。20年に月平均32件だった相談件数は、21年は月平均43件に増えている。市担当者は「相談件数が増えることは、取り組みの一つの成果でもある」と話す。
こころの電話相談は、平日午後5時〜9時30分、土日祝日は午前8時45分〜午後9時30分。
「命の門番」機能
南区役所は2008年から職員が専門の研修を受けるなど、他区に先駆けて自殺予防事業を積極的に展開している。区職員が自殺を未然に防ぐ命の門番「ゲートキーパー」と呼ばれる役割を果たせるようにと、専門家を招いて研修を行うなど、内部での意識向上に取り組んでいる。
こうした取り組みから福祉関係の業務を担当する職員以外も自殺予防の意識を持つようになり、保険や年金に関する窓口で自殺をほのめかすような発言に職員が気付き、思い止まらせた例もあったという。
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