南永田団地内にある商店街の空き店舗を活用し、憩いの場やコミュニティスペースを作ろうと取り組んでいた住民らが、活動を加速化させるためにNPO法人を立ち上げようとしている。1月23日に設立総会を開き、今後は市の補助金を得て、空き店舗の改装を行い、来春には住民が集える場の開設を目指す。
活気取り戻す
南永田団地は1974年に完成。UR都市機構が管理し、賃貸と分譲を合わせて約2400戸ある。団地内にある商店街「南永田商栄会」では、スーパーや郵便局など、10店舗以上が営業するが、約30年前に閉店して以降、シャッターが閉じたままの店舗もある。
団地住民の約4割が高齢者で、南区の中でも割合が高い。住民からは「団地全体に活気がなく、空き店舗を利用し、住民が集える場を作れないか」という声が以前から出ていた。
南区役所はこれに応える形で2015年、永田みなみ台連合自治会(常木敬司会長)と協力し、空き店舗活用法を考える講座を企画。まちづくりの専門家である「横浜プランナーズネットワーク」にも助言を受け、住民有志が活用の実現性やそれへ向けての方法、課題を探ってきた。
異世代交流も
16年3月には講座参加者が「永田みなみ台まちづくり委員会」を立ち上げた。その後、区の補助金を得て、空き店舗に対する関心を高めてもらうためのイベント「つながり祭」を4月から隔月で実施。約60平方メートルの空き店舗を一時的に借り、フリーマーケットや音楽演奏などを行うことによって、徐々に住民の意識が高まっていった。活動には、団地そばの永田台小学校の児童、保護者、教諭も加わり、イベントを知らせる旗を作るなど、賛同者が増え、異世代交流の場にもなった。
補助金申請へ
空き店舗を常設のコミュニティスペースにするためには、改装費用や借り上げのために多額の資金が必要。行政などからの補助金を得るには、NPOなどの法人格が必要なものが多いことから、同委員会を発展させる形でNPO法人設立を決めた。法人名は「永田みなみ台ほっとサライ」とし、現在、申請の手続きを進めている。メンバーは約30人。23日の設立総会で常木会長は「憩いの場や高齢者の生活支援、見守りの拠点を作りたい」と述べた。
今後、法人として市の介護予防交流拠点整備事業に応募する。採択されれば最大で850万円の補助金が得られる。得られた場合は、空き店舗の改装費に充てられる予定で、来年4月の拠点完成を目指して準備を進めていく。
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