市立中村小学校(井津井公次校長)で3月5日、5年生35人が総合的な学習の時間で中華料理店の中国人シェフを招き、チャーハンの作り方を学んだ。同校には外国籍の児童も多く、あえて通訳をしないまま、シェフが中国語で説明する調理手順を覚えることで、多文化共生の意識を高めるねらいもあった。
同校は以前、修学旅行で山形県鶴岡市羽黒町を訪れ、現地で農業体験をしていた。旅行先は変わってしまったものの、校内で田植えを行うために、約15年前から山形県のJAの協力を得て農家を招き、校内の敷地を使った米作りの指導を受けている。
5年生は総合的な学習の時間で米作りを学ぶ。秋に米を収穫後、どのように調理をするか、児童が話し合いを行い、チャーハンを作って食べることに決まった。
外国籍の児童が多いことから、学校側は調理実習だけではなく、多文化共生の意識を高める内容を取り入れたいと考えた。そこで、外国人の生活相談・支援を行う浦舟町の「みなみ市民活動・多文化共生ラウンジ」に相談。コーディネーターを通じ、中華街の中華料理店での勤務経験もある中国人シェフの陳道明さんを招くことにした。
言葉の壁越えて
授業は、児童に言葉が分からない中でも勉強していくことを体験してもらおうと、陳さんの話す中国語を通訳せずに実習を進めた。
まず、陳さんがチャーハン作りを実演。通訳がない中、料理手順を何度も口に出して覚える児童やじっとフライパンを振る手元を見つめ、イメージをする児童など、それぞれが集中し、真剣な眼差しだった。
実演後は児童が数人に分かれてチャーハン作りに挑んだ。調理手順など、作り方のヒントがホワイトボードに書かれ、協力しながら作った。作り終えた児童は「難しかったけど、上手にできた」と笑顔を見せた。
陳さんは「レシピを簡単にして児童でも作りやすいように工夫した。積極的に取り組んでくれて嬉しい。この場を提供してくれた学校にも感謝する」と話した。
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