▼地区ごとに住民と区職員らが課題について話し合う「地区懇談会」が5月上旬から6月下旬にかけて16連合町内会ごとに行われた。懇談会は南区連合町内会長連絡協議会の主催。出された意見を地域、行政がまちづくりに役立てていくことが目的だ。町内会館などで約1時間半にわたって、地区側が設定した防災対策や福祉などの議題について、意見交換をした。
▼2015年までは、町内会の活動報告的な意味合いが強かったが、16年から一部の地区で議題について少人数のグループで討議を行うよりになり、内容が変化。今年は半数の地区が討議方式を採用した。「ごみの不法投棄をどう防ぐか」「大地震発生時、子どもをどう守るか」など、具体的な課題について議論した。その中では、個人や町内会が実践している事例が語られていた。討議が情報共有や課題に対する意識を高める機会になりつつある。全ての懇談会に出席した大木節裕区長からは、課題解決につながる他地区の好事例が述べられるなど、区側も懇談会を有意義な場にしようとしている点は評価できる。
▼一方、多くの地区が議題にした防災に関し、家庭での対策や共助の方法など、議題が複数にわたり、議論が散漫なって深まらず、消化不良で終わるケースが見られた。また、参加者が事前に議題を把握していなかったり、議論の前提となる防災の共助・公助の体制が十分に理解されないまま話が進むこともあった。初めて討議方式を行った地区も多く、不慣れな点があったのはやむを得ないが、参加者の議論が深まるよう、町内会側が事前に資料や情報を提供できる仕組み作りを進めるべきだ。区役所側も開催の数カ月前から準備に携わっており、行政視点の助言がもっとあって良い。
▼町内会側は、懇談会で出た意見を広く地域住民に伝え、特に喫緊の課題である防災対策は行動に移せるものからすぐに実践したい。そのためにも、区はこれまで以上に地域の好事例を拾い出し、活動の担い手や懇談会では姿が少なかった若い世代に伝えてく取り組みを進めてほしい。
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