出産間もなく外出が困難で不安を抱える母親を対象にした「横浜市訪問型母乳相談」が始まって半年が経過した。現在、利用者は月60〜70人。母乳だけでなく、子育て全般に関して相談できると徐々に利用者が増えている。一方、利用の手続きが煩雑だという声も聞かれる。
自宅に助産師
横浜市にはこれまで訪問型の母子相談事業がなかった。今年1月31日から自宅に助産師が訪問し、母乳相談などができる訪問型母乳相談を開始した。「『母乳が出ない』『赤ちゃんの体重が増えない』など、母乳に関する相談は多く、必要性は感じていた」と市こども青少年局の担当者は話す。
委託先は市内28の助産院。南区からは、みやした助産院=三春台=など、3事業者が委託を受けている。市内在住の産後4カ月未満の母親を経験豊富な助産師が訪問し、乳房ケアなども行いながら、さまざまな育児のアドバイスを行う。ミルク育児の人も利用可。1回9千円(自己負担4千円)で、3回まで。外出が難しく、「母乳育児への不安」「家族の支援が受けられない」などの利用条件がある。
利用者徐々に増加
「この事業がなかったら、完全にミルク育児になっていた」と話すのは、近隣に母乳相談できる所がなく、切羽つまった思いで相談したという利用者。また「育児に詳しい助産師さんに不安を話せたことが大きかった」という感想も聞かれた。
事業はホームページや区役所で配布するチラシで周知するのみだが、開始2カ月間で約80件だった利用者は、現在は月60〜70人と増加傾向に。市担当者は「ニーズはあったと実感している」と手応えを感じる。だが、市内の出生数は年間約3万人。市助産師会の市川恵子会長は「必要としている人は多いはず」と話す。
手続き煩雑の声も
申し込みは市助産師会事務局(【電話】045・374・5376)に電話後、申請書を市こども青少年局に送付。さらに申請書が確認され、利用決定が通知される流れだ。利用希望者からは「外出できない母子を支える事業なのに、申し込みは郵送のみで煩雑」という声も聞かれる。市担当者は「ネット申し込みなどは現状、検討していない。申請内容のチェックなどに時間はかかるが、ご理解いただきたい」としている。
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