県は9月11日、南区内の急傾斜地138カ所を土砂崩れによって生命や身体に著しい危害が生じる恐れがある「土砂災害特別警戒区域」に指定した。今後、同区域内に住宅などを建築する際は、県の許可が必要になるほか、建物の構造も規制される。これを受け、区は同区域を記した地図を作成する方針で、住民に周知していく。
「土砂災害特別警戒区域」(通称レッドゾーン)は土砂災害防止法に基づき、すでに指定されている南区内160カ所の「土砂災害警戒区域」(通称イエローゾーン)の中でも、建物に損壊が生じ、住民の生命や身体に著しい危害が生じる恐れがあるより危険な区域を指す。イエローゾーンは、斜度が30度以上、高さ5m以上の急傾斜地が指定されるのに対し、レッドゾーンは移動する土石の力と堆積する土石の力から算出している。
六ツ川に46カ所
今回、区内138カ所がレッドゾーンに指定された。南区全域に広がっており、六ツ川では46カ所が該当。六ツ川2丁目には17カ所ある。
崖地を管理する県は、1999年に広島県で起きた大規模土砂災害などを契機に2005年から警戒区域の調査を実施。レッドゾーンの調査は順次進められていたが、これまで横浜市内は未調査で、崖地の多い南区と磯子区が最初の対象区となった。調査後の2月に南区内で結果に関する説明会が行われていた。
対象区域では今後、福祉施設や病院といった災害時要援護者関連施設や住宅分譲などの開発を行う場合、県の許可が必要になる。また、想定される衝撃の力に耐えられるよう、建物の構造が規制される。県によると、損壊の危険性が高い建物の所有者に対して移転を勧告することもあるという。
崖地対策が課題
横浜市は土砂災害警戒情報の発表と同時に避難勧告を発令する急傾斜地の区域を指定しており、南区は市内最多の16カ所。また、堀ノ内町2丁目の崖地にある住宅建設現場では、10年、15年に続けて崩落事故が起きるなど、崖地の安全対策が区の課題になっている。
県の指定を受け、南区役所総務課は「イエローゾーンの見直しも行われる予定で、今後、レッドゾーンとともに新しいハザードマップを作成する」とし、「速やかに対応したい」としている。市危機管理室は「避難にレッド、イエローの区別はない。居住地のゾーンを把握し、レッドから外れているからと安心せず、イエローでも早めの避難を」と呼び掛けている。
今回指定された詳細な区域はウェブサイト「神奈川県土砂災害情報ポータル」で閲覧できる。
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