南消防団(涌井正夫団長)の団員数が11月1日時点で定員の395人を上回る401人となり、2009年に寿、大岡の両消防団が統合してから初めて定員を超えた。市内の消防団は19年1月時点で定員を満たすことを目標にしており、南消防団は事業所などへ積極的に声を掛け続けた結果、この1年半で100人近くを増やした。
消防団の定員は条例で定められており、市内20団の合計は8305人。各団が管轄する地域の面積などを考慮して決められている。南消防団は09年4月の発足以降、395人。統合前の寿、大岡両消防団の定数を足したものになっていた。
女性・事業所中心に
発足時は325人で82%だった充足率は定年(70歳)者の増加などで下落が続き、12年4月には7割を切った。東日本大震災以降、地域防災力の向上が叫ばれる中、その担い手となる消防団員を増やそうと、団員による活動PRや勧誘に力を入れてきた。今まで手薄だった女性団員の増加にも取り組み、09年の40人が現在は78人に倍増した。団員数は12年を底に徐々に増えていき、17年4月には346人で充足率は9割に迫った。
各消防団は今年7月に「19年1月1日時点で定員の充足率100%を達成する」との目標を掲げた。達成へ向けて南消防団は、団員と関係のある企業や大人数が勤務する病院を中心に勧誘を続け、8月以降に入団者が急増。11月1日付でやすらぎ保育園=万世町=の園長をはじめ、職員8人を含む14人が加わり、定員を6人上回る401人となった。市消防局によると、同日付で定員超えの見込みなのは南を含め9消防団だという。
継続・定着が課題
涌井団長は「団員不足を訴え続けた結果」と根気強く活動を継続した成果だと強調。事業所の団員が増えたことには「平日の昼間は区内に団員が約4割しかおらず、近くで勤務している人が多くなれば、日中の災害に早く対応できる」と話す。今後は「訓練の時間帯を工夫するなどして、継続して活動してもらえるようにしたい」と団員の定着が課題だとした。
自らも事業所などに呼び掛けた南消防署の小出健署長は「消防署と消防団がさらに力を合わせて取り組み、防災力の向上を図りたい」と話した。
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