横浜国立大学・大学院(区内常盤台)1年の加藤功甫さんと田澤儀高さんが、自転車でのユーラシア大陸横断を成し遂げた。2人は2011年4月に日本を出発。約2万キロを走破し、この程、横浜でゴールテープを切った。
加藤さんと田澤さんは同大学のクラスメート。大学在学時から、長期休暇には国内を自転車で巡るなどしていたが「もっと多くの人に出会いたい」と大陸横断を決意。大学院に入学後休学手続きをとり、1年がかりの旅に出発した。
2人は日本を出発後、ポルトガルに降り立ち、ヨーロッパ、中央アジア、インド、東南アジアなどを横断。今年2月、兵庫県に到着後、約1カ月かけて横浜までを走破し、3月10日、山下公園にゴールした。
横断中はマウンテンバイクに食糧や寝袋を積んで走行。野外や簡易ホテルで宿泊をしながら計30カ国を巡った。時には、現地の人が自宅に泊めてくれることもあったという。
カザフスタンで500キロ続く砂漠に難航した際、食糧や水を無償で提供してくれた人もおり加藤さんは「言葉も通じない僕達を無償で助けてくれる優しさにとても感動した」と話す。
被災地応援も
また「日本と世界の子どもたちに繋がりを感じてもらいたい」との想いから、旅の途中で出会う子ども達の手で糸を繋ぐというプロジェクトを考案。これは約20センチの毛糸を1人ずつ結んでもらい、1本の長い糸を完成させるもの。言葉が通じない国でも説明できるよう、シンプルな作業を選んだという。
1年間の旅を終え、協力した子どもは計5001人、糸は全長約1キロに達した。出発前、市内の小学校でも児童らがこの活動に協力。2人は今後、凱旋講演なども予定している。
また出発直前に発生した東日本大震災を受け、横断中に訪問した小学校などで被災地への応援メッセージ作成を呼びかけ。約1千人がメッセージを記入した布を、4月に宮城県石巻市の小学校に届ける。
2人は「多くの人の温かさに触れ、国や宗教で偏見を持つのではなく、自分の目で確認する大切さを学んだ」と話す。4月からは大学院に復学するが「糸をつなぐ旅はこれで終わりというわけではなく、何らかの形で続けていきたい」と意欲を見せていた。
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