UDタクシー 導入台数、未だ目標の6割 認知度不足が普及の壁に
年齢や障害の有無に関わらず、誰でも利用しやすいよう設計された「ユニバーサルデザイン(UD)タクシー」。横浜市では補助金制度を設けて今年度から3年間で240台の導入を計画しているが、認知度の低さから乗車を避けられるケースもあるという。普及には事業者側の周知に加え、UDへの乗客の理解も求められる。
福祉専用車両と勘違いも
UDタクシーの導入を促進しようと、国交省では2011年度から補助金制度を新設した。神奈川県タクシー協会横浜支部=中区=でも、交通のバリアフリー化に取り組もうと市に事業化を要望。今年度は1千万円の予算が付き、14年度までに市内の協会加入車両台数4800台のうち5%の240台の導入を目指す。今年度は46社71台を目標としているが、12月末時点で23社43台と目標の6割にとどまっている。
通常の多くのタクシーがLPガスなのに対し、UDタクシーはガソリンを使用する。ガソリンはLPガスに比べ、燃料費が約2倍かかることが懸念材料でもあったが、今夏にはLPガス対応車がメーカーより発売されるという。
同支部・UDタクシー導入推進委員会の藤井嘉一郎委員長は「タクシー業界においてもバリアフリー化は必須。高齢化も進み、需要はさらに高まるのでは」と話す。
UDタクシーは介護専用ではないため、通常の流し運行で営業する。予約せずに街中で乗車できるのが特徴で、料金も変わらない。しかし、見慣れない車体から乗車を避ける人も。同車両を運転するタクシー運転手は「利用者は無線配車がほとんどで、流し運行では厳しい。3人に1人は挙げた手を下げてしまう」とこぼす。台数が限られているため、予約したくても空きがない場合もあるという。
藤井委員長は「乗客が増えず採算がとれないと、事業者も導入しづらい。福祉車両として共存させるためにも、UDに対する理解を深めてほしい」と話す。一方で、市に普及の要望をしていた横浜市身体障害者団体連合会では「事業化されたのは喜ばしいこと。しかし、台数はまだ足りず、街中で呼び止めることが難しい。全体の30%位がUDになれば」と話している。
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