NPO法人 中途障害者地域活動センター「ほどがやカルガモの会」の所長を務める 大尾 美登里さん 星川在住 58歳
温もりの支援広げる太陽
○…脳卒中等で後遺症が残る人々を支える場として設立された同所。昨年10周年を迎え「皆さんの支えがあってこそ。感謝でいっぱいです」と笑顔を見せる。
○…東京生まれ。幼くして父を亡くし、育ちの家となった母の実家は、家族ぐるみで地域と関わる”下町気質”。民生委員だった祖母の手伝いをするうち、自然と福祉活動に携わるようになった。専門学校を卒業した後、地域の火災予防に貢献したいと川崎市の消防署に就職。しかし「消防に女はいらないと言われていた時代。苦労はしたし、トイレも更衣室も男性用しかなかった」と振り返る。
○…2人目の出産を機に退職。その後、脳卒中の後遺症が残る義父の介護を引き受けることとなった。2年間、介護と育児、福祉活動に忙殺される日々が続く中、自身に麻痺やめまいの症状が表れ始める。診断結果は、ストレスと疲労からくる自律神経失調症。医師の助言で義父を施設に預けたが「後ろめたい思いがずっと残っていた」と話す。この時の経験から介護ヘルパーの資格を所得。転居した保土ケ谷でも精力的に福祉活動に関わる中、同会の発足に携わってほしいと打診を受けた。義父と同じ病気の人々を支える場所。「これで恩返しができる」と感じた。「(利用者が)介護されるばかりでなく、支援者にもなれること」を大切にしており、先の震災の際には、利用者の1人が元調理師の腕前を発揮して帰宅困難者に料理を振る舞った。自身の経験から介護する家族へのケアも忘れない。
○…常に笑顔が絶えず、苦労した経験も、明るく快活に話す姿勢が印象的。現在は中途障害者支援だけでなく、女性の視点からみた防災活動や被災地での女性保護など、休む間もなく動き回る。「防災や女性保護では消防での体験が、中途障害者支援では介護の体験が生きてます」。豊富な経験を糧に、太陽のような明るさと温かさで、地域に支援の和を広げていく―。
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