花見台にある県立保土ケ谷公園のギャラリーで個展を開催している 富樫 奈月さん 法泉在住 26歳
私も伝える「金魚の魅力」
○…自宅と同じ区内にある横浜国立大学の大学院教育学部で美術を専攻。県内高校の非常勤講師も務める傍ら、自身の創作活動にも邁進。小さい頃から好きなことに没頭する性分で「つくること全般」は大の得意。粘土細工などにもハマりかけたが「(特別な道具がなくても)絵はいつでも描けるので」と、絵画の世界に傾倒していったのだという。
○…元々「ひらひらしたモノ」を表現する事が好きで蝶などをモチーフにする機会が多かった。そんな中、4年前に同じ会場で、上菅田に住む美術家の深堀隆介氏の作品展を見学。水中を「ひらひらと」泳ぐ金魚の美しさを一点突破型で表現する作風に大いに感銘を受けた。それを機にスタンスや表現方法は違えども、昔の人の美意識が今でも息づく「金魚」を、古典技法などを駆使して表現する独自の世界を追求している。
○…「今は金魚を描いているのが楽しくて仕方がない」と話す通り、今回の個展も、日程などが決まった後、わずか半年間で10点もの作品を一気に完成させてしまうパワフルな一面も。「水の中の金魚が『もし自分の感じる心地の良い場所にいたら?』というイメージで、フワッと浮遊させた感じですかね」と、個展のテーマを解説してくれた。
○…創作活動以外の、普段の様子などを聞こうとすると「ほかにしたいこと、できることは何もないんですよ」とポツリ。大学院の恩師からは『(プロの)画家は、自分で名乗った時点で画家である』とはいわれているが、この道を生業としてく決心は揺らいでいる様子。「他の人の上手い作品をみると落ち込みますしね」と苦笑いをみせる。それでも、展示されている作品の数々を見れば、今後も創作活動を続けていきたいという強い意志は明白。「自分の絵画を買ってくれた人が生きているうちは(美しさが)変わらぬものを」という自らの指標を満たせれば、堂々のプロ宣言もそう遠くはないかもしれない。
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