区内にある初音丘幼稚園の渡邉眞一園長が会長を務める神奈川県私立幼稚園連合会がこの程「通学・通園バス等 津波対策ガイドライン」をまとめた。
これは、幼稚園からの帰り道の送迎バスが津波に巻き込まれた東日本大震災の教訓を基に、同様の事態から子どもを守ろうと策定されたもので、全国でも初めての取り組み。実現に際しては、昨年12月の県議会で黒岩祐治知事が早期着手を明言。年末には同連合会に属する、主に沿岸沿いの幼稚園長や県担当職員、識者などを集めた研究会が発足し意見を取りまとめるなど、準備が進められてきた。
実情に応じ活用を
同連合会に加盟する674園のうち、多くの幼稚園が採り入れている「通園バス」。その津波対策の新たな指針となるガイドラインでは、各自治体が公表している「災害ハザードマップ」などと照らし合わせながらバスの運行ルートの安全を再確認する事を推奨。さらに「浸水の被害区域に含まれていないか?」「近くに避難場所はあるか?」といったチェック項目が設けられているほか、バスそのものに搭載しておくべき備蓄品のリストなども記載。より具体的な事前の対策が明示された内容となっている。
ガイドラインは今後、県内すべての私立幼稚園に配布される予定。策定を担当した県職員は「津波による被害が予想される県内の幼稚園が、このガイドラインを基に各園の実情に応じた津波対策マニュアルを整備する際の参考にしてもらえれば」と話し、今後の活用に期待を寄せている。
通園バス以外も活用可
4月28日に黒岩知事と面会し、完成したガイドラインを手渡した渡邉会長は「神奈川県の海岸線は延べ430Km。変化に富んだ恵まれた環境を活かし、特色ある幼児教育に取り組んできた一方、海岸線に多く接しているが故に津波対策などを整備する必要があった」と今回の趣旨を説明すると共に「(預かった)子ども達を家庭に責任をもって送り届ける事が重要」と主張。その上で、当初は「通学バス・通園バス」に限定されていた表題部分に「等」を加えた意味について「幼稚園の通園バスに限らず、老人ホームや自動車学校、障害者支援施設など送迎バスを採用している業種には、必ず役立つ内容になっているので、幅広く活用してもらいたかったから」とも話している。
「水遊び」の指針も
さらに、5月を目途に、4期8年務めた会長職を退く意向を示している同氏は、バトンタッチする新会長と共に、もう一つガイドラインを策定する事を示唆。近年、事故が起きた際の責任と処遇で混乱が生じている「プールでの水遊び」について、早期に教育現場での対応策などをまとめ、県と協議に入る方針を打ち出している。
|
<PR>
保土ケ谷区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>