「おもちゃ病院」は時代遅れ? ”患者”減少にドクター苦悩
今年も「妖怪ウォッチ」が爆発的なヒットを記録するなど、玩具はいつの時代も子ども達を魅了している。
だが一方で「おもちゃドクター」が忙しくなったというニュースは、なかなか耳にする事は少ない。1人の修理担当者から垣間見えた、おもちゃ取り巻く環境とは、果たして―。
区役所そばに拠点
菅田町在住の秋元康邦さんは現在74歳。現役当時はモーターの性能試験を担当する電機メーカー勤務を経て教員となり、中学校の技術科教員に。異色の経歴を活かし定年後は保土ケ谷区役所そばにある地域作業所「第2はなかご」(【電話】045・442・4350)で、ボランティアとして「おもちゃ病院」を開設してきた。
完治率は「8割」
玩具だけではなく最近は古い時計等の修理も手掛け、代金は部品代など実費のみ。しかも「だいたいは無料になりますね。よほど酷い破損でなければ8割くらいの確率で治せますよ」と秋元さん。それにも関わらず、運び込まれる”患者”は年々減少の一途。「壊れるまで愛着を持って遊ぶおもちゃが減っているのかも」と寂しそうに話す。さらに古くなったらすぐに売ってしまう行動原理や、使い捨てを前提とした最近の玩具メーカーの姿勢にも疑問を呈す。時には足らない部品を自作してまで”完治”を目指してきただけに、ともすれば物を粗末に扱うようにも感じられる近年の風潮に、到底納得がいかないのも無理はない。
ぜひ”入院”を
「『もったいない』の精神」や「エコロジー」の観点からも、時代遅れとは言い難い「おもちゃ病院」。
大掃除のシーズンを前に、壊れたり不用になった玩具が沢山捨てられてしまう事を危惧する秋元さんは「まずはぜひ持ち込んで」と、”入院”を呼び掛けている。
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