県立がんセンター(旭区)に併設し、整備が進められてきた重粒子線治療施設「i─ROCK(アイロック)」が昨年12月に開所した。国内では5カ所目の重粒子線治療施設となり、12月中旬から臨床試験での利用が開始され、2月から一般患者の利用が開始される予定だ。
「重粒子線治療」は外科手術ができない部位のがんに有効といわれている放射線治療のひとつ。X線や陽子線に比べ、がんを殺傷する能力が高いほか、副作用が少なく1回の照射線量を多くできるので、治療回数を減らすことができる。
世界で稼働している同様の施設は現在、「i─ROCK」を含め9カ所。国内には5カ所の施設があり、世界中の患者の8割以上が日本で治療を受けている。
「i─ROCK」は、神奈川県が2005年に策定した「がんへの挑戦・10か年戦略」の取り組みの一環として、整備が進められてきた。
重粒子線施設ががん専門病院に併設されているのは世界初で、国内の他施設と比べ交通利便性がよく、最新の照射技術が取り入れられていることなども特徴だ。
高額治療費が課題
重粒子線治療は健康保険適用外で、350万円の費用が掛かる。現行の先進医療制度では民間保険の特約が利用できるが、現在、国はその見直しを行っている。適用外となった場合には実費での治療となり、患者の負担増が懸念されている。
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