宿場の立体地形図の製作指導を務める 村田 啓輔さん 83歳
生涯学ぶ楽しさ謳歌する
○…保土ケ谷宿を含む神奈川宿から藤沢宿までの各宿場で活動する市民団体らが、6月末の完成に向け今年1月から進めてきた立体地形図の製作指導を務める。「昔の景色を知ってもらい、これだけ歴史がある自分のまちに誇りと愛着をもってもらえれたら」と思いを語る。定年間近に「趣味を生かしたまちづくりで地元への関わりを持ちたい」と地域ボランティアへ参加するようになった。
○…独学で郷土史を学ぶほど歴史や地理が好きで愛読書は司馬遼太郎作品。「旅した景色や行けない場所を鳥のように上から見たい」と20年ほど前から独自に立体地形図の製作を開始。「こんなこと言うとロマンチストだと言われてしまうんですけどね」と照れ臭そうに笑う。区内の街並みの変化を模した立体地形図は区役所でも展示されている。自信作のエベレスト周辺の地形図はドイツの地図を元に半月かけて製作。「作りながら登った気になるでしょ」。楽しそうに目を細める。
○…幼少期は山登りやスキーなどを楽しみ、戦後間もない10代は西部劇を観て外国に憧れた。社会人になると、研修で20カ国以上を訪れ、初めて触れる文化や人生観に刺激を受けたという。結婚後も夫婦で3カ国ほど旅行へ。「今の活動ができるのは家内のおかげ」と感謝する。リビングには書道家の妻の作品と共に自身が描いた風景画も飾られている。スケッチも好きで、ほどがやかるたやガイドマップの絵も手掛けている。
○…今一番の刺激と楽しみだというガイドの活動で大切にするのは”勉強・度胸・愛嬌”。「人との出会いが、人生の張り合いですね」としみじみ。小学生と10年以上前に製作した宿場の街並みは毎年宿場まつりで展示され、感動の再会も。「当時小学生だった彼らが観に来たが、もう大学生で驚いた」と成長を喜ぶ。「健康な内はガイドを続け、いずれ個展も開きたい」。歴史を伝承すべく語りべとしてまだまだ学び続ける。
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