神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
保土ケ谷区版 公開:2017年4月13日 エリアトップへ

助け合い避難場所として協定 上星川・川島東部連合町内会と2寺院

社会

公開:2017年4月13日

  • LINE
  • hatena
協定書に署名する関係者〈7日・隨流院〉
協定書に署名する関係者〈7日・隨流院〉

 災害時に設置する「地域防災拠点」への避難が身体的・地理的理由などにより難しい人のため、設置へ向けた検討が進められていた「助け合い避難場所(中間的避難所)」に関する協定が上星川地区・川島東部地区連合町内会と地域内にある2つの寺院「隨流院」(西村悦次住職)・「正観寺」(善浪裕勝住職)の間で結ばれた。

 自宅の倒壊などにより、避難が必要となった人のための「地域防災拠点」は現在、区内27カ所の小・中学校などが指定されている。しかし、保土ケ谷区域は山坂の多い地理特性もあり、以前から「地域防災拠点までの道のりが遠く、避難できるか不安」といった声が区民から上がっていた。

 区は2012年9月に自治会長や専門家ら11人から成る「中間的避難場所検討委員会」を立ち上げ、その必要性や整備方法などの検討を進め、同年内に報告書をまとめていた。

 市防災計画では発災後、一時的な避難場所として公園などの「いっとき避難場所」に避難し、その後、自宅に戻れない状況の人は「地域防災拠点」に身を移す流れになっている。

 「助け合い避難場所」はこの間を埋める位置づけ。行政などの「公助」も受けながら運営される「地域防災拠点」と異なり、地域住民が互いに協力しあう「自助・共助」で運営される。

 区担当によると「助け合い避難場所」の設置は地域に委ねられているため、現時点で何カ所で協定が結ばれているかは把握していないが、寺院との間での協定締結は今回が初だという。

本殿や客間、駐車場を解放

 上星川地区と川島東部地区は国道16号を挟み両地区が入り組んでいる地域。さらに坂も多く昨秋から両連合町内会は有事に備え、「助け合い避難場所」の設置へ向けた動きを進めていた。

 協定では震度5強以上の地震や風水害などが発生した場合、両寺院が本殿や客間、駐車場などを解放。「助け合い避難場所」として7日間、住民の避難生活を受け入れることになる。

選択の幅広がる

 2つの寺院は国道16号を挟み南北に位置するため、今回の協定締結により、住民にとっては有事の際、避難場所の選択肢が広がったことになる。例えば国道16号線の南側に暮らす住民はこれまでであれば、国道を渡り、坂を上り地域防災拠点に指定されている上星川小学校に避難しなければならなかった。しかし今後は、国道を渡ることなく、距離的に近い隨流院で一時的に避難生活を送ることができるようになった。

 上星川連合町内会の武信由己会長と川島東部連合町内会の田中有光会長は協定締結を受け、「安心のための材料ができた。帷子川流域の地域では過去に水害被害もあった。地域住民に『助け合い避難場所』の存在をしっかりと周知していきたい」と話した。一方、避難を受け入れる正観寺の善浪住職と、隨流院の西村住職は「書面を交わさなくても避難者を受け入れる用意はあったが、協定を締結することで役割が明確になった。こういった取り組みがほかでも進めば」などと話し今後に期待を寄せた。
 

正観寺(左)と隨流院(右)
正観寺(左)と隨流院(右)

保土ケ谷区版のトップニュース最新6

「地場ワイン」今年も上々

「地場ワイン」今年も上々

原料は川島町のぶどう

4月18日

保土ケ谷は50年で25%減

横浜市将来人口推計

保土ケ谷は50年で25%減

世帯数は2割ほど減少の見通し

4月18日

商店街舞台の演劇企画

元宝塚歌劇団大洋あゆ夢さん

商店街舞台の演劇企画

役者募集、町おこしに一手

4月11日

障害者診療「限界近い」

横浜市歯科保健医療センター

障害者診療「限界近い」

二次機関拡充求める声も

4月11日

75%が定住意向

保土ケ谷区区民意識調査

75%が定住意向

災害対策「何もしてない」3割

4月4日

4月から雇用率引上げ

障害者就労

4月から雇用率引上げ

市も企業啓発に注力

4月4日

あっとほーむデスク

  • 4月11日0:00更新

  • 4月4日0:00更新

  • 3月21日0:00更新

保土ケ谷区版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

コラム一覧へ

保土ケ谷区版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月24日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook