横浜国立大学・大学院の学生が、先月宮城県の仙台国際センターで開催された(公社)日本コンクリート工学会主催の学生コンペ「キングオブコンクリート」に出場し、総合部門で1位を獲得した。
このコンペは、コンクリートを用いて鍵盤打楽器を作製し、強度を競う「曲げ強度部門」、楽器の完成度を競う「楽器性能部門」、課題曲と自由曲を演奏する「演奏部門」の3つの部門を競い、全国の28チームが参加した。同大では、大学院都市イノベーション研究室・学府、理工学部建築都市・環境系学科都市基盤EPコンクリート研究室が出場。4月から準備を開始し、大会に臨んだ。
コンクリートの混合比や、鍵盤の長さや厚さなどを研究し完成した同大のコンクリート琴は、「キーン」という高い涼やかな音を響かせる。曲げ強度部門を担当した岡野靖久さん(修士1年)は、強度を追求するため、土日も研究室に籠ったという。そんな姿に手伝う後輩も現れ、「嬉しかった」と振り返る。結果、大会が想定した以上の荷重に耐え測定不能の断トツの1位となった。
楽器性能部門担当の上原麻衣さん(修士1年)は、完成したコンクリートの長さや厚さ、音を共鳴させるために下に置く木箱の深さや底の形状を変えて、2オクターブのコンクリート琴を完成させた。湿度でも音が変わるため、「直前までヤスリでコンクリートを削って合わせていた」と話す上原さん。悔しい3位となったが、曲げ強度部門に提出する”ファ”のコンクリートを、音よりも強度に重きを置いたため、「これがなければ1位がとれた」と岡野さんは自信を持って話す。
「12人で演奏したい」
課題曲のドレミの歌、自由曲のゆずの「夏色」など3曲で神奈川メドレーを編曲した坂西純平さん(学部4年)。実は12人で演奏する予定だったが、前日に大会関係者から人数オーバーと言われ急遽3人の編成に変更。「12人で演奏する機会は1位のエキシビションだけ、1位しかなかった」と話し、本番は緊張で足がガクガクしたという。見事1位となり、「達成感があった」とほっとした表情を見せる。総合1位の勝因を「チームワークがよかった」と話す3人。同研究室の小松怜史助教は「すべて学生が仕切って大会に出場した。演奏は本当に感動した」と話した。
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