帷子町にあるガラス工事・販売等を営む市野屋商店(八ッ橋良光店長)=人物風土記で紹介=の敷地内にこのほど、「帷子番所」が完成した。地域住民の交流だけでなく、保土ヶ谷宿を観光客へ紹介する場としての役割が期待される。
八ッ橋さんは還暦を過ぎたころから、「生まれ育った街に何か恩返しを」と考えていた。以前から同商店の建物の一部を地域に開放していたが、2011年の東日本大震災によって建物が倒壊する可能性があると行政から指摘されたことを契機に、16年12月に建物を取り壊した。その跡地に高齢者向け住宅の建設を開始する際、高齢者が集まって会話できる交流の場や自治会などがイベントを安定的に開催できるなど、より地域に密着した場所があればと建物の一角を地域住民の交流の場を図るためのスペースとして建設業者に設計を依頼。昨年12月に開所した。
同所は月曜を除いた正午から午後3時まで開館し、八ッ橋さんの呼びかけで地元の老人会と自治会が日替りで当番を務めている。施設内には江戸時代から宿場町として栄えた保土ヶ谷宿の魅力を紹介しようと資料や書籍、パンフレットなどが置かれ、入口付近には市地域有形民俗文化財に指定されている「金沢横町道標四基」が設置。土、日には宿場めぐりをしている観光客が訪れ、当番員に道を尋ねたり、休憩の場として賑わい、多い時には1日に約80人が訪れたこともあるという。土曜日の当番を担当している保土ヶ谷一丁目自治会の永谷幸人さんは「帷子番所が出来たことで、あちこちから人が来てくれて交流を図ることができて楽しい」と話す。
八ッ橋さんは同所の完成に「保土ケ谷の歴史をもっとたくさんの人に知ってもらって地域住民同士の話が花開く場となってくれれば」と今後に向けて意気込みを話した。
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