今春のスギ花粉飛散量に関し、県自然環境保全センター(厚木市七沢)はこのほど、「ほぼ例年並み」との予測を発表した。調査は県内の森林地帯を4つの地域に分類し、合計30カ所で実施。それぞれのポイントで40本のスギを抽出し、双眼鏡などで1本ごとに着花状況を4段階で点数化し、その平均値を調査箇所の着花点数とした。今回の調査で30カ所の平均値は48・7点で、過去24年間の平均44・8点を上回ったものの、過去5年では中間の値だった。
スギは2月から4月に花粉を多く飛散させる。花粉を飛散するのは雄花のみで、この着花量を調査することで花粉飛散を予測する取り組みを県は1997年度から毎年実施している。今年度も昨年11月に県内30カ所の測定ポイントで、着花状況を調査した。
夏場の気象が要因
同センターによるとスギの雄花の着花形成は花粉が飛散する前年夏の気象条件との相関が高く、気温が高く、少雨で日照時間が多い時は着花形成が促進され、雄花が多く着く傾向にあるという。
昨年は7月の気象状況をみると平均気温は平年の96%だが、降水量は217%と平年の倍以上で日照時間は平年の33%と雄花の着花が少なくなる気象条件だった。8月は平均気温は平年の109%と大幅に高く、降水量は平年の14%と極端に少なく、日照時間は平年比147%と雄花の着花が多くなる気象条件が整った。同センターでは「7月、8月で極端に異なる気象要因だったが、結果的に平均程度の着花になったと推定される」としている。
今春1万本出荷
同センターでは花粉の発生源対策として花粉の少ないスギ・ヒノキの品種の選抜と実用化などを行っている。また花粉を飛散させない「無花粉スギ・ヒノキ」の開発も進めており、今年の春には1万本程度の苗木を生産する予定となっている。
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