30年以上に渡り世界マスターズ水泳選手権に出場を続けている 天野 トシ子さん 西谷在住 94歳
「生涯現役」貫くマーメイド
○…94歳にして今なお現役のスイマー。日常生活では娘・まち子さんの介助が欠かせないが、ひとたび水の中に入れば周りの心配はなんのその。大きなストロークで悠々と丁寧に泳ぎ切る。その実力は2015年、平均年齢90歳の4人1チームで出場する360歳区分女子フリーリレーで世界記録を樹立したほどだ。泳いでいて苦しくないのか聞くと「苦しいもんですか」ときっぱり。「水の中にいる方が楽ですよ。身体の力を全部抜けるし、呼吸だって自然とできるんだから」と朗らかに笑う。
○…「大会に出れば、お友達に会えるでしょう」。大会出場が好きな一番の理由だ。そんな大好きな大会も、昨年はほとんどが新型コロナウイルスの影響で中止になってしまった。全国各地にいる水泳仲間とも会えていない。まち子さんが「大会がなくてつまらないわよね」と問いかけると「そうねえ」と残念そうにつぶやいた。
○…指導者の資格も所持していて、過去には水泳協会の短期講習や夏休みの学校のプールで子ども達の指導をした経験も。「私と練習すれば、どんなに泳げない子でも2時間で泳げるようになるわよ」とまっすぐな瞳で宣言する。「泳げない人なんていないわよ。勇気をだしてプールに行ってみるといいわ。楽しいから」
○…元気に泳ぎ続ける秘訣を聞くと「知らないねえ。食べるもの食べて、着るもの着てればいいんじゃない」とけろり。『何歳まで泳ぎ続ける』『何mを何秒で泳ぎ切る』といった具体的な目標も特になし。あっけらかんとしたお茶目な性格に「周りに人が集まる」というのも納得させられる。今は年齢なんて気にせずに「泳げるだけずっと泳ぎ続けたい」。それが一番の目標だ。
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