マスターズ水泳界において世界最高峰の舞台とされる「世界マスターズ水泳選手権」。1986年から2年に1度の頻度で開催されている同大会に、第1回からほとんど欠かさず出場を続けている現役スイマーが西谷在住・御年94歳の天野トシ子さん=人物風土記で紹介=だ。現在は娘のまち子さんのサポートを受けながら、週に1度の練習を続けている。
トシ子さんが水泳を始めたのは小学生の頃だった。通っていた小学校に当時としては珍しくプールがあり、授業で習ううちにその魅力に引き込まれていった。
結婚後はプールから離れていたが、52歳のときに夫が死去。「自分の時間ができたこと」をきっかけに再びプールに通うようになった。1986年、東京の代々木オリンピックプールで開催された「第1回世界マスターズ水泳選手権」に出場したときは60歳だった。
水泳の4泳法と言われるクロール、平泳ぎ、背泳ぎ、バタフライは全て泳ぎこなす。中でも特に得意としているのはクロール。2019年に韓国の光州で開催された世界選手権では100mの自由形に出場した。当時93歳と大会出場選手の中で最高齢のスイマーが悠々と泳ぐ姿に、会場中から拍手が送られた。
トシ子さんは足腰が悪く長距離の移動やプールサイドでは車いすが必要なためケアマネージャーの娘・まち子さんが熱心にサポート。毎週土曜日まち子さんが付き添い、港北区の日産ウォーターパークに通って練習を重ねている。担当のトレーナーによると、1日の練習で800mほど泳いでいることもあるという。
今年の夏に九州で開催される世界マスターズにも出場予定だったが、東京五輪の日程変更を受けて来年へ延期に。それでも週に1度の「大好きなプールの時間」は欠かず続ける。「母はとても努力家。人を惹きつける魅力もあって、大会にでれば周りにお友達がたくさん集まってくるんです」とまち子さん。トシ子さんは「次の大会が楽しみね」と優しく微笑んだ。
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