西谷中学校の空手道部が山口県内で開かれた「第29回全国中学生空手道選手権大会」で、女子団体組手での優勝を筆頭に、エントリーした7種目全てで入賞する好成績を残した。
現在の3年生は2年前、全国の舞台を経験しているメンバーもいるが、「1年生の時は先輩たちに連れて行ってもらった」と口を揃える。昨年はコロナ禍で大会は中止。「先輩から受け継いできた思い」を胸に、活動が制限される中、工夫を凝らしながら稽古を重ねてきたという。
日本一を手にした女子団体組手は先鋒・中堅・大将の3人が順に戦い、勝者の多いチームが勝ちとなる。全国各地から私学を中心とした空手強豪校が名を連ねた今大会、西谷中は初戦から4回戦まで相手に一勝も許さない強さを発揮。
準々決勝では今大会初めて先鋒戦を落としたものの、中堅、大将戦を取り返し逆転で勝利。迎えた準決勝でも格上とみられた相手に完勝し、決勝戦に駒を進めた。
世界大会でも活躍する選手を輩出している大阪学芸高校附属中と日本一の座を争った決勝戦は3人が戦い終え、1勝1敗1分けで決着がつかず代表戦へもつれ込んだ。
いつも通り「ジャンケンで」
代表戦を誰に託すのか。「ここまで来たんだから自分たちで決めればいい」。顧問を務める森田浩司教諭(48)から、そう声を掛けられたメンバーは緊張感に包まれる会場をよそに、笑顔を浮かべながら突然、ジャンケンを始めた。同部では部内での決め事を日ごろから「ジャンケン」で決めているという。
ジャンケンで勝った矢部日菜さん(3年)は中学王座を決する一戦でも心を乱すことなく、「いつも通り」の戦いを見せた。見事勝利し、「先輩から受け継いだ思い」は最高の形で結実した。
キャプテンとしてチームを率いた菊池優月さん(同)は「今まで練習してきて、楽しい事も辛い事もたくさんあったけれど、試合を終えた時、みんなで頑張ってきて本当に良かったと思った」と歓喜の時を迎えた瞬間の喜びを話した。
出場全7種目で入賞の大躍進
同校は今大会、優勝した女子団体組手を含む出場した全7種目で入賞する大躍進となった。
女子団体形での準優勝に加え、個人形でも銀メダルを手にした酒井春姫さん(3年)は「全中という晴れ舞台で、決勝のコートに2度立つことができて本当に嬉しかった」と話した。
男子団体形で3位となり個人形では5位に入った千葉海瑠さん(同)は「緊張やプレッシャーを吹き飛ばす気持ちでやった。貴重な経験をさせてもらい感謝したい」と語った。
女子個人組手で5位になった堀実優さん(同)は「みんなと全国大会に出場できて本当に嬉しい。この結果はみんなで支え合い頑張ってきたおかげ」、5位に入賞した男子団体組手に出場した今井太一朗さん(同)は「結果は結果として、みんなで試合を楽しむことができたのが良かった」と大会を振り返った。
自ら部を立ち上げ現在も顧問を務める森田教諭は「コロナ禍で部活動が制限される中でも自主的に稽古を続ける姿も見てきた。普通の公立中学の生徒が全国の舞台で数多く活躍でき、誇らしい」と話した。
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