神奈川県自然環境保全センター(厚木市七沢)はこのほど、今春のスギ花粉飛散量が「例年よりやや少ない」との見通しを発表した。
スギ花粉飛散量を予測するため、昨年11月2日から19日まで、厚木市、愛川町、清川村、相模原市、秦野市、小田原市など県内のスギ林30カ所で花粉を飛散させる雄花の着花量調査を実施。各スギ林において、40本のスギを抽出し、双眼鏡または望遠鏡を用いて、1本ごとに着花状況を点数化し、その合計値を本数で割った平均値を着花点数とした。
その結果、着花点数の平均値は37・8点で、前年の48・7点および過去25年間の平均44・5点を下回った。2017年からの過去5年では最低の値となった。
一般的にスギの花粉飛散量は、花粉が飛散する前年の夏(7月〜8月)の気象条件との相関が高いとされており、冷夏であると雄花の着花量は少なくなる傾向にあるという。2021年の夏は、日照時間が平年比100%、平均気温は101%と平年並みだったが、降水量が216%と平年の2倍以上で雄花の少なくなる気象条件となり、雄花の着花量は少なくなったと推測される。
また地域別では小田原などの県西部が42・5点と県内平均値より高く、相模原市緑区などの県北部が34・0点と低かった。地域的に温暖な県西部はより多く着花している可能性があるという。