人気の幼稚園が運営する新しい子育て支援
保土ケ谷駅西口に送迎ステーション
日中は子育て世帯集う｢子育てサロン｣に

　70年近くに渡り幼稚園を中心に子育て支援・教育施設を展開している学校法人初音丘学園が今春、ＪＲ保土ケ谷駅西口に子育て支援施設「つながりステーション」を開設する。西口ロータリーのＴＳ保土ケ谷ビル３階に誕生する同施設は、朝の出勤時に子どもをステーションに送り届け、夕方は保土ケ谷駅まで子どもを送るバスが運行し、戻ってきた子どもたちを駅で引き取る形の「送迎ステーション」。昼間は未就園児を中心とした地域の子育て家庭が気軽に寄れる「子育てサロン」として運営される。

　同学園は少子高齢化が進み子育て世帯の不安や悩みが社会問題化する中、「地域の子育て世帯を支援する取り組み」に力を注いできた。その一環として誕生するのが「つながりステーション」だ。

最前線で感じる本当に求める支援

　２月末に厚生労働省が発表した人口動態統計の速報値では、２０２３年の出生数が過去最少の75万８６３１人となった。

　初音丘幼稚園とスカイハイツ幼稚園で園長を務める渡邉結さんは「自身の子育て経験から、子育て中は人と繋がりにくく、情報がなかなか入らない。身近に子どもを気軽に連れて遊びに行き、人と繋がれる場所があることが、今の子育て家庭に必要である。『子育てをしたくなる街づくり』を心がけ、子育ての楽しさを広めていきたい」と話す。

ゆとり時間で子どもと対話

　朝の「つながりステーション」は子育て支援の最前線に立つ園長らが感じ取った「子育て世帯が求めていること」を具現化したサービスといえる。

　幼稚園の共働き子育て世帯を対象に、朝の出勤時に子どもをステーションに送れば、園児は園バスで幼稚園に登園できる。幼稚園での生活を終えた後、夕方再びバスで保土ケ谷駅に向かい、さようならをする。

　「わざわざ園に送り届けたり、園に迎えに行ったりする時間が省ける。余裕が生まれた朝・晩の時間を、お子さんと一緒にゆっくりと食事をしたり、遊んだり、今日あったことをお話したりする時間に充ててもらうことができれば」と園長。

子育てのプロ常駐悩み相談も受付

　日中は子育て中のママ・パパが気軽に立ち寄り、子育てに関する悩みを常駐する保育士や幼稚園教諭に相談したり、ベビーマッサージやリトミックなどの企画を楽しんだりできる「子育てサロン」に。授乳スペースやおむつ替えスペースなども完備されている。

　「現場目線」での子育て支援の取り組みに注目したい。