今春のスギ花粉飛散量に関し、県自然環境保全センター(厚木市七沢)はこのほど、「飛散の多かった昨春に比べると減少するものの、例年よりもやや多い」との予測を発表した。
スギは2月から4月に花粉を多く飛散させる。花粉を飛散するのは雄花のみで、この着花量を調査することで花粉飛散を予測する取り組みを県は21年前から毎年実施。今年度も昨年11月に県内30カ所の測定ポイントで、着花状況を調査したところ、着花点数の平均値は52・8点で、昨年度の67・2点を下回ったものの、過去21年間の平均44・2点を上回っていた。
夏場の気象が要因
同センターによるとスギの雄花の着花形成は花粉が飛散する前年夏の気象条件との相関が高く、気温が高く、少雨で日照時間が多い時は花芽形成が促進され、雄花が多く着く傾向にあるという。
昨年は7月は降水量が平年よりも多かったものの、8月は降水量が平年よりも少なく、平均気温が高く、日照時間が多かったことから、「気象が飛散量拡大に起因しているではないか」としている。
飛散しない品種今春5千本出荷
同センターでは花粉の発生源対策として花粉の少ないスギ・ヒノキの品種の選抜と実用化などを行っている。また、花粉を飛散させない「無花粉スギ・ヒノキ」の開発も進めており、2010年に実用化。今年の春には5千本程度の苗木を出荷する見込みとなっている。
花粉飛散量は【URL】http://www.agri-kanagawa.jp/sinrinken/index.aspで公開される予定。
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