鶴見区の保育所待機児童数が4月1日現在、市内18区中で唯一、前年から増加した。今年度の鶴見区の待機児童数は132人で、前年比プラス12人。昨年度同日現在の統計では、港北区、港南区、青葉区に次ぎ、戸塚区と並んで市内4番目の多さだった。
市は昨年度から待機児童減少を重点施策とし、保育所の新設や定員増などを実施。それにより各区で軒並み減少した。そんな中で鶴見のみ増加したことについて、区は「マンション建設戸数増加が背景の一つにある」と見解を示している。
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(財)建設物価調査会の建築着工統計によると、鶴見は06年から昨年までの5年計で9,794戸と市内2番目の多さ。さらに市の平均人口増加率は、昨年比で市が0・5%、区は0・6%と差がないのに対し、就学前児童数は市のマイナス0・5%に対しプラス1・2%、入所申込数に関しては市平均よりも4・8ポイントも高い結果となった。
区は、「一概にそれだけとは言えないが、やはりファミリー世帯、特に未就学児を持つ世帯の増加が要因」と推測。さらに景気の低迷により、共働きで住宅ローン返済を考える世帯が多いことも追い討ちをかける形となっている。
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解消の方法として最も期待されるのが、保育所の整備だ。昨年度、区では認可保育所を2園増、既設の3園で定員増を行った。だが、既存園での定員増や定員を超えての入所枠増でも、それを上回る入所申込者の増加に応えきれなかった。
今年度、区は3園の新設を予定している。だが、保育所整備については現在、土地の問題が”壁”となっている。03年度から待機児童対策として保育所整備を進めてきたことから、市有地はもちろん、民間の土地も含め、整備に適した土地を探すこと自体が困難になってきているという。
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待機児童数は、認可保育所に入れず、さらに他の保育サービスを受けていない未就学児童のことを指す。つまり無認可の保育所などを利用している児童は含まれない。鶴見区では132人が待機児童とされているが、保育所への潜在的需要はそれに留まらず、数倍はあると予想される。
実際、4月・5月だけでも数十人が「キャンセル待ち」として入所申込みを行っており、今年度の新設分だけで待機児童を減少できるか不安が残る。
区緊急保育対策担当の八木慶子係長は、「2月から導入している保育コンシェルジュ(相談員)を含め、民間の土地へのアプローチなど、区としてもあらゆる対策を練りたい」と待機児童解消へ向け取り組む。
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